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引き退く
「引き退く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引き退くの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
々に打ち悩まされた。内膳正が流れ弾にあたって倒れたのを機会に、総敗軍の姿となって
引き退く後を、城兵が城門を開いて、慕うて来た。 この時である。甚兵衛は他の若武....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
鳥の声に呼びさまされて、武男は目を開きぬ。 ベッドの上より手を伸ばして、窓かけ
引き退くれば、今向こう山を離れし朝日花やかに玻璃窓にさし込みつ。山は朝霧なお白け....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ならず一様に、後へ後へと引くばかりであった。 七福神組は進んで行く。一ツ橋勢は
引き退く。 結果はどうなることだろう? そうは云っても一ツ橋家の武士にも、全....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
い」 「はっ」というと観世銀之丞は物臭さそうに立ち上がった。 観世銀之丞
引き退く 観世銀之丞は能役者であった。それが剣道を学ぶとは、ちょっと不自然に思....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
光をはねた。刀が引かれた! 横へ走った。と、悲鳴! 血の匂いだ! ダッダッダッと
引き退く足音! 三人目を腰車にぶっ放して、青眼に構えをつけたままの、紋也の眼前三....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
語ながら、誰だ女嫌いの親分のところへ今ごろ来るのは、さあはいりな、とがらりと戸を
引き退くれば、八ッさんお世話、と軽い挨拶、提灯吹き滅して頭巾を脱ぎにかかるは、こ....
「三国志」より 著者:吉川英治
、他の二方面にあった司馬懿軍も万寵軍も、甚だしく不利な戦態に入り、ついに三方とも
引き退くのやむなきに至った。 陸遜は、多大な鹵獲品と、数万にのぼる降人をひきつ....