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引け目
「引け目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引け目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
樹皮亭に遁れていましたっけね」
「いいえ、レヴェズ様の死に、私は道徳上責任を負う
引け目はございません」と伸子は、息を荒ららげて叫んだ。「実は私、アレキサンドライ....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
した。 子供なりに僕は、自分の家に、一枚の山も、一段歩の畠も持っていないのを、
引け目に感じた。それをいまだに覚えている。その当時、僕の家には、田が、親爺が三年....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、兵馬にはこの少年の知識慾を満足せしめるほど、天草軍記の知識を持っていないという
引け目があるのと、もう一つは何か最初から気にかかることがあって、 「それより、拙....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
部大臣奥田義人が認めた京大の模範的伝統を蹂躙することは、文教の府として、それ自身
引け目を感じることである。まして勅令違反の嫌疑まで受けては、文部省もジッとしては....
「娯楽論」より 著者:戸坂潤
う安易労働に多くの社会的効用を期待することは出来ない。だから之を労働と呼ぶことに
引け目はあるが、併し少なくとも一種の活動でないとしたら、暇をつぶし、退屈を凌駕す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に出るはずはなかろうに、先天的に、お角さんほどの女が、この人にだけは一目も二目も
引け目を感ずるらしい。女の人はお角に命令するように言いました、
「あの、道でお連....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころが、それがいけない。 よろしい、去る者は追えない。拗《す》ねる者をあやなす
引け目もないはず。 一処にその未練を残すから、万処がみな滞るのだ。 進むに如....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はないじゃないか、憚《はばか》りながら、こちら様が先客なんだから、席を譲ってやる
引け目なんぞは、ちっともありはしないのだから、泰然自若として、輪を吹いていました....
「神棚」より 著者:豊島与志雄
俺は飲みてえのを我慢してたんだぜ。」 「それごらんよ、飲みたいのを我慢するだけの
引け目が自分にあるじゃないか。……私もね、お前さんが美事調えてきてくれたら……と....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の連中に向かっては、自分の行動を少しも恥ずかしいとは思わなかった。彼らにたいして
引け目があるとは考えなかった。なぜなら彼らは彼女より下等だったから。彼女が率直に....
「落雷のあと」より 著者:豊島与志雄
辱なほどの佗びしい生活でした。 その上、秘書主任の三宅弘子に、立川一郎は特別な
引け目を感じていました。眼鼻立の尋常ないくらか長めの顔が、すらりとした体躯に比べ....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
年命日がやって来ると、当代の主人がこんなように諸人接待のご馳走をするが、それだけ
引け目があるって訳さね」 四 (そうか)と貝十郎は胸に落ちた。(....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
けやがったな、ほんとに仕方のない目っ早小僧だ! だが今度はお生憎様さ、ちょっとも
引け目なんかないんだからな」 こんなように考えた。 で、私はやっつけるように....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
!」 「ああ、昼間の金だね」 「うん。……五郎蔵め、よく出しおった。旧悪ある身の
引け目、態ア見ろだ。……お浦、いうことを諾いたら、金をくれるぞ。十両でも二十両で....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
少しも気詰りではなかった。広間の閾を跨ぐや否や、年の違う夫が傍にいることが自分の
引け目になるどころか、それが却って得も言われぬ強烈な神秘の影を生み出して男心を妖....