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引っこ抜く
「引っこ抜く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引っこ抜くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
のの、やはり当分は世間へ出ることは憚るべき身である。事実機敏な映画会社でも彼女を
引っこ抜くのは、もう少しあとでと思っていたくらいである。そんな村口多鶴子を引っ張....
「焦点を合せる」より 著者:夢野久作
イフを噛ませて見ろ。強情な女だな……そうそう。金歯かアマルガムがあったらペンチで
引っこ抜くんだ……血だらけで見えないか。懐中電燈を出せ。俺が見てやる……ウム。み....
「里芋の芽と不動の目」より 著者:森鴎外
物を拝んだのですかと云って、ついと立って掛物の前に行って、香炉に立ててある線香を
引っこ抜くのだ。己はどうするかと思って見ていたよ。そうすると、兄きは線香の燃えて....
「太十と其犬」より 著者:長塚節
ごろりとなった。 「おっつあん縛ったぞ」 三次の声で呶鳴った。 「いいから此れ
引っこ抜くべ」 という低い声が続いて聞えた。 「おっつあん此のタンボク引っこぬく....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
けに懸ると、胸に抱合わせている手が直ぐに解けず、緊着けられているような。 腕を
引っこ抜く勢で、※いて、掻巻をぱっと剥ぐ、と戸棚の蔽は、旧の処にぼうと下って、何....
「猫吉親方」より 著者:楠山正雄
えしなければいけないぞ。もしそうしなかったら、それこそ植木鉢にはえたちいさな草を
引っこ抜くように、おまえたちの首を、引っこ抜いてしまうぞ。」といって、すっかりお....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
やつらはその中のどれかなのであろう」――紋也には躊躇できなかった。決心をして刀を
引っこ抜くと、やにわに一人を叩き切って、それに怯えて後へ退く、敵方の隙をうかがっ....
「隠亡堀」より 著者:国枝史郎
お梅の顔がお岩に見え、喜兵衛の顔が小仏小平、其奴の顔に見えたのでな、ヒョイと刀を
引っこ抜くと、コロコロと首が落ちたってものさ」 「ははあ、其奴ぁお岩さんの怨だ」....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
いて、むらくには酔っ払った紙屑屋が湯灌の時らくだの髪の毛を剃刀が切れないとて手で
引っこ抜く、そのあと、茶碗酒を引っかけるところで、 「ア、髪の毛がありゃアがら」....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
な体格の所有主《もちぬし》であったが腕にだけ不思議な金剛力があって柱の釘をぐいと
引っこ抜くとは江戸中一般の取り沙汰であった。これが彼を釘抜と呼ばしめた、真正《ほ....