引っ張り出す[語句情報] »
引っ張り出す
「引っ張り出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引っ張り出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
家《うち》の人を呼ぶとか、または家の人と私が一つ室《へや》に落ち合った所へ、Kを
引っ張り出すとか、どっちでもその場合に応じた方法をとって、彼らを接近させようとし....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
その時から与次郎はこの桜の木の下が好きになって、なにか事があると、三四郎をここへ
引っ張り出す。三四郎はその歴史を与次郎から聞いた時に、なるほど与次郎は俗謡で p....
「足迹」より 著者:徳田秋声
れてやって来た。 叔父は客と一緒に、座敷で碁を打っていた。 「どうせ死んだ塊を
引っ張り出すだけのもんだからね、素人が騒いだって何にもなりゃしない。」と言って、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るぐらいなもので、貴婦人連も自分たちの衣裳の着くずれを直すために舞踏室から彼女を
引っ張り出す時ででもなければ、彼女の腕に手をかけるようなことはなかった。したがっ....
「青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
だろう。それにフランボーは名うての名優だ。僧侶に変装して、彼をハムステッド公園に
引っ張り出すぐらいお茶の子サイサイだ。犯罪のすじ道は既にはっきりしている。それに....
「決闘」より 著者:神西清
ら、君を相手に利口な口が利いて見たかっただけの話だ。それを君は、仰々しい結論まで
引っ張り出す。君はあの亭主になにか癪に障ることがあるので、あの婦人まで道づれにし....
「狂馬」より 著者:佐左木俊郎
青の頭から、何か冠せなくちゃ、駄目だよ。何十年も坑内にいた馬を、明るいところに
引っ張り出すと、すぐ死んでしまうんだっていうからなあ。」 古参の坑夫が注意した....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ない、漆喰の塗り下で小舞貫を切ってとんとんと打って行けば雑作もなかろう。兄さんを
引っ張り出すに限るというので、私もやむなく兄を頼むことに致しました。 そこで、....
「審判」より 著者:カフカフランツ
にはいろうとすると、誰か私の脚をつねるやつがある。私はベッドの下をのぞいて、一人
引っ張り出すっていうようなわけです。どうして私のところにこう押しかけるのか、私に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
うのであります。自分の普通の力、工夫努力が多ければ多いほど、飽くまで生き抜く力を
引っ張り出すのに、それだけ余計に沢山の力を利用することが出来るのです。 かくて....