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引っ越す
「引っ越す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引っ越すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猟奇の街」より 著者:佐左木俊郎
れは困りますわ。わたしはこれから手袋編みだけで食べていかねばならないんですから、
引っ越すわけにはいきません。引っ越せば職を失ってしまうのですから」 「もし越して....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
と云うから不思議だ」 「博覧会でも見に行くんだろう」 「いえ、家《うち》を畳んで
引っ越すんだそうだ」 「へええ。いつ」 「いつか知らない。そこまでは下女に聞いて....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
ら、 「家はあったか」と聞いた。 「その事で今君の所へ行ったんだ――あすいよいよ
引っ越す。手伝いに来てくれ」 「どこへ越す」 「西片町《にしかたまち》十番地への....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とたびたび喧嘩をしているんです。あたしも中へはいって困ったこともありますが、なぜ
引っ越すんだか、その訳が判らないんですもの。良いとも悪いとも云いようがありません....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
目の酒屋をたずねると、帳場にいる番頭は答えた。 「お俊さんの家では二、三日前から
引っ越すという話はありました。そこで、きのうの朝、知らない男の人が来て、これから....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
ないし、羽生なら知ってる人も二三人はあるからね」 母がこう言うと、 「そうだ、
引っ越すなら、羽生がいい。得意先にもちょうどつごうがいい」 父も同意する。 ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ろげな推量では、雪枝と清川との関係は多分絶えたようで絶えず、それに悩んで遠い処へ
引っ越すことに葉子の主張が通って、田端へ移ったからには、新生活もどんなにか幸福で....
「足迹」より 著者:徳田秋声
芳村が前からよく行きつけていた碁会所の娘と約束が出来て、そこへ荷物を持ち込んで
引っ越すようになってから、お増がまた気を焦って、このごろでは磯野の手を離れて、芳....
「黴」より 著者:徳田秋声
も揃っていないが、何や彼や複雑になって来た家を移すということの億劫さが思われた。
引っ越すには纏まった金を拵えなければならなかった。 「けど立ち退くにしても、いず....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
家をさがしてまわった。やがてきまったのはカフエー世界と云う家だった。
「どっかへ
引っ越す時は知らしてね、たい子さんによろしく云ってね。」
時ちゃんはほんとうに....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
であった母を助けて一家の庶務を処理した。自分が父の没後郷里の家をたたんでこの地へ
引っ越す際に彼女はその郷里の海浜の村へ帰って行った。彼女の家を立てるべき弟は日露....
「プロレタリア文学における国際的主題について」より 著者:宮本百合子
したり、居住の地域を問題にしたり、宿主とケンカしたり、引っ越したり、一人の仲間が
引っ越すとその仲間が遠い郊外の引越先まで行って見て、古い党員の下宿主からリンゴを....
「源氏物語」より 著者:紫式部
の続くのを、源氏も見かねて、 「これではたまらないだろう、私の言っている近い家へ
引っ越す決心をなさい」 と勧めるのであったが、「宿変へて待つにも見えずなりぬれ....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
が窺われるのだ。居間の煖炉に、灰と焼け残りの襤褸や書類様のものが堆高く積もって、
引っ越す前に証拠物件を焼却したらしいあとも見られる。その中から、血を吸って重い脱....
「すいれんは咲いたが」より 著者:小川未明
ました。 ところが、突然のことでした。木田が学校で、 「勇ちゃん、僕のうち急に
引っ越すので転校しなければならんのだよ。だから、きょう遊びにおいでよ。」といいま....