引っ込み思案[語句情報] » 引っ込み思案

「引っ込み思案〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引っ込み思案の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
卑怯者」より 著者:有島武郎
た子供は、ふだんから悪戯《いたずら》が激しいとか、愛嬌《あいきょう》がないとか、引っ込み思案であるとかで、ほかの子供たちから隔てをおかれていた子に違いない。その....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
夏子を蘆屋のプチブルの有閑マダムの仲間へ入れてくれた。 しかし、夏子はもともと引っ込み思案で、応召した夫が戦死したのちも、六つになる男の子と昔かたぎの姑と、出....
伸子」より 著者:宮本百合子
ないのは、彼女に少しうんざりなのであった。けれども健康で活気がある佐々は、伸子の引っ込み思案を多くの場合うけつけなかった。彼は、六十歳に近い老人と思われない活溌....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
くは頃者内幟の流行打ち続いて見渡す空に矢車の響き賑わず、江戸ッ児の向上心を吾から引っ込み思案にしてしまう人の多いことで、吾儕は寧ろ柏餅も鱈腹喰うべし、※もウンと....
源氏物語」より 著者:紫式部
復の夢を作って、女王に返事を書くことも勧めたが、世間のあらゆる内気の人の中の最も引っ込み思案の女王は、手紙に語られる源氏の心に触れてみる気も何もなかったのである....
源氏物語」より 著者:紫式部
ながらはいって来た大将は、 「どうしてこんなに早く戸を皆しめてしまったのだろう。引っ込み思案な人ばかりなのだね。こんな月夜の景色をだれも見ようとしないなど」 ....
源氏物語」より 著者:紫式部
認められないのに失望して帰ってしまった。そのあとでは、 「人情がわからない方ね。引っ込み思案でばかりいらっしゃる。あれだけの容貌を持っておいでになりながら」 ....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
は底冷えし、夏は堪えられぬくらい暑くおまけに人間が薄情で、けちで、歯がゆいくらい引っ込み思案で、陰険で、頑固で結局景色と言葉の美しさだけと言った人があるくらい京....
小説 円朝」より 著者:正岡容
た両国川開きの情景からこの拙作短篇は始められていたのであるが、その晩珍しく内気で引っ込み思案の小糸が清水《きよみず》の舞台から飛び下りた積りで晴れがましくも圓朝....
私はかうして死んだ!」より 著者:平林初之輔
しぶ立候補を決意したのであった。 だがいったん決意した以上は、私一個人としての引っ込み思案はきれいさっぱりとすてて、党のため、党の支持する無産大衆のために飽く....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
の勇気はなく……と、申上げましたら、先生、貴方は私を、なんて情熱のない、老人臭い引っ込み思案な男だろう! と、お思いになるかも知れません。そして、そのとおりなの....
地異印象記」より 著者:和辻哲郎
である。 三日の朝は、やっと天災が止んだという快活な印象を与えた。自分のように引っ込み思案なものも、この日は親類や友人の安否をたずねようという気持ちになった。....
三国志」より 著者:吉川英治
ぬ晩年の気品をおびてきた。 もっと異ってきたのは彼の気魄であった。一時は非常に引っ込み思案で、名分や人道主義にばかりとらわれて、青春から壮年期にわたって抱いて....