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引入れる
「引入れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引入れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
座の方へ材料の仕入に出かけて行って、帰って来たお島は、自転車を店頭《みせさき》へ
引入れると、がっかりしたような顔をして、そこに立っていた。
「須田町から先は、自....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
だ、手前が毎日路地を入って来ると、文治郎の家《うち》には母が留守だから隠し女でも
引入れるのではないかと、長屋で噂をするものがあるから、それで手前に来てくれるなと....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
りにして、それじゃアひとつ賭をやろうじゃアありませんか、とまア、そんな風に仲間に
引入れるんです。むろん勝敗の結果は、やっぱり玄人側の方がいつも出掛けて裁判の成行....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ってると、誰もいねえと思ってすっと入って来ると、己アこゝにいたよって手を押めえて
引入れると、お前来ねえかと思ったよ、なに己ア本当に是まで苦労をしたゞもの、だから....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
は、リアリズムの、ロマンティシズムのと、所詮は、技巧上の問題としか思えぬ。読者を
引入れる・引入れ方の相違だ。読者を納得させるのがリアリズム。読者を魅するものがロ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
義を働きたい為めに閑地へ引込んだのであろう、これ苟めにも天下|御直参の娘が、男を
引入れるという事がパッと世間に流布致せば、飯島は家事不取締だと云われ家名を汚し、....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
、呆れて仕舞うたなア……僕が僅かに十日|許り東京に参って居た留守の間に、隠し男を
引入れるとは実に怪しからん事じゃ……これ密夫貴様は何処の者じゃ」 といわれて治....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
うぞ。) と何にも思わない調子でしたが、板戸を劃に、横顔で、こう言う時、ぐっと
引入れるようにその瞳が動いたんです。」 「これは、どちらの御婦人で、」 と先達....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
い。人麿の作とすれば少し楽に作っているようだが、極めて自然で、佶屈でなく、人心を
引入れるところがあるので、有名にもなり、後世の歌の本歌ともなった。併しこの歌は未....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
であったが、やがて渋々に雨戸をあけると、そこは広い土間になっていた。治三郎を内へ
引入れると、彼はすぐに雨戸をしめた。家内の者はみな隠れてしまって、その男ひとりが....
「審判」より 著者:カフカフランツ
けっして失敗したわけではなく、いろいろのことがあったにせよ、例の事務局長を味方に
引入れることに成功するならば、――このためにすでにいろいろなことを始めているが―....
「上海」より 著者:横光利一
、塀を攀じ登っている群衆の背中が、蟻のように浮き上った。 高重は彼らを工場内に
引入れることの寧ろ得策であることを考えた。這入れば袋の鼠と同様である。外から逆に....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
たが、君江はその前から京子が旦那の目をかすめていろいろな男を妾宅《しょうたく》へ
引入れるさまを目撃していたのみならず、折々は京子とその旦那との三人一ツ座敷へ寝た....