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「引出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、五個らしく、手荷車で引出したのだが、さて運送店の事になると少しも手懸りがない。引出す所を目撃していたと云う女中にいろ/\聞いて見たが、半纏の印さえ覚えていない....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
の宇宙線は、空高くのぼっていくほど数がふえます。それから宇宙線は、更に大きな力を引出す働きをします。火薬を入れた函にマッチで火をつけると大爆発をしますが、宇宙線....
火星兵団」より 著者:海野十三
号外に出した。 各国市場の株は、がたがたと落ちた。 銀行や郵便局には、貯金を引出す人々が押掛けて来て、道路は完全にその人たちによってうずまった。自動車も電車....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
。いや糸口はハッキリして居て、それを引っぱり出しさえすれば埒は明くのだが、それを引出すことは出来なくて、強いて他の糸口、それは無いに定まっている糸口を見出さなく....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、恋も呪もしますからね。」 で、口を手つだわせて、手さきで扱いて、懐紙を、蚕を引出すように数を殖すと、九つのあたまが揃って、黒い扉の鍵穴へ、手足がもじゃ、もじ....
露肆」より 著者:泉鏡花
消え残った灯の前に、霜に焼けた脚が赤く見える。 中には荷車が迎に来る、自転車を引出すのもある。年寄には孫、女房にはその亭主が、どの店にも一人二人、人数が殖える....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
な」そんなことを僕がいって、足で触ってみると民顕あたりの湯婆とは感じが違うから、引出すと徳利のような恰好をした湯婆であった。 「あたしの方にも入れてあるかしら」....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
珍しいタケノコ料理の折ヅメだから貰う方も幾らか印象的でしょう。後日に至って印象を引出す為にはタケノコ料理の折ヅメという存在がなかなか得難い好都合な差し水の役を果....
人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
音がしない。なんにも――とは、厳密にはいえないかも知れない。内臓を切り放し、外へ引出すときに、烏賊の皮をむくときのように、パリパリと音がするのであった。それは内....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
について小生の批判を加える余地はないのですが、もし、強いてこの問題から重要な点を引出すとすれば、森戸文相の言うように、果して「自分の意思を勇気をもつて言える学生....
学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
も。一人の携帯し得べき現金の量には限りあれども、貯金は必要に応じ何時にてもこれを引出すことを得べし、今日自学自修の必要は漸く識者の間に認められながら、いたずらに....
式部小路」より 著者:泉鏡花
込んで行ったって殺されるものじゃない。私がね、旨く都合をして、定子さんを可い処へ引出すわ。 それにゃ、本宅の薬剤師に、梅岡さんといって、大層私を可愛がってくれ....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、友染の褄を蹴て、白足袋で飛ぶように取って返すと、お悦が、私の手を取るが迅いか、引出すのに、真暗になって、木戸口へついて出た。その早い事、私が第一に目についたの....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
竜胆の装を凝らした。筆者は、これを記すのに張合がない。なぜというに、咄嗟に拳銃を引出すのは、最新流行の服の衣兜で、これを扱うものは、世界的の名探偵か、兇賊かでな....
審判」より 著者:カフカフランツ
がいなかった。男は気づきもしないで、急いで計算書や表をありとあらゆるポケットから引出すと、Kの前にひろげ、いろいろな項目を説明し、こうやって、ざっと見渡してさえ....