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「引剥ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引剥ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
古き小画」より 著者:宮本百合子
んだ。彼は、寧ろこの偶然の機会を悦んだ。相手の体に密着したことで、疑問の面覆いを引剥ぐことも出来るかと思ったのであった。 スーラーブは、どうかして片手だけを自....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
ッと見やがった時にはギョッとしたね。アンマリ気が急いていたもんだからウッカリして引剥ぐのを忘れていたもんだが、見破られたと思ったから吾輩はイキナリ焼糞になってし....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
るどころか、対手方に大分の借が出来た、さあどうする。……で、損料……立処に損料を引剥ぐ。中にも落第の投機家なぞは、どぶつで汗ッかき、おまけに脚気を煩っていたんだ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
した、え。 三味線も弾けず、踊りも出来ぬ、座敷で衣物が脱げないなら、内で脱げ、引剥ぐと、な、帯も何も取られた上、台所で突伏せられて、引窓をわざと開けた、寒いお....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ら、出掛けに、捨利で一着に及んだ礼服を、返りがけに質屋の店さきで、腰を掛けながら引剥ぐと、江戸川べりの冬空に――いいかね――青山から、歩行で一度中の橋手前の銀行....
貧乏」より 著者:幸田露伴
やい、ほんとに酒はどうしたんでエ。 「こうしてから飲むがいいサ。 と突然に夜具を引剥ぐ。夫婦の間とはいえ男はさすが狼狙えて、女房の笑うに我からも噴飯ながら衣類を....
星女郎」より 著者:泉鏡花
に掛って、すっと留まったのを、貴婦人の手が下へ押下げると、見る目には苛らしゅう、引剥ぐように思われて、裏を返して、はらりと落ちて、腰帯さがりに飜った。 と見る....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
処の奴だ、ヤイ侍、頭巾を取れ」 と云いながら、無理無体に泥坊の冠っていた頭巾を引剥ぐと、面目ないから下を向いて居りまする。 仙「番頭さん、オイお願えだが縄を持....