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引取り
「引取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
事にして、狐狸《こり》が棲《す》む。盗人《ぬすびと》が棲む。とうとうしまいには、
引取り手のない死人を、この門へ持って来て、棄てて行くと云う習慣さえ出来た。そこで....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ないですが、よく聞きとれませんでした。それきり口はきかないで、その夜の明方に息を
引取りました……。それから政夫さん、こういう訣です……夜が明けてから、枕を直させ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
してはどうか、と云って下さいますから、参ろうかと思います。何にしても一旦塾の方へ
引取りますが、種々用がありますから、人を遣って、内の小使をお呼び下さい。それから....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
の電話を借りて、とりあえず目賀野に知らせた。目賀野は愕《おどろ》いて、すぐ博士を
引取りに行くからといった。 それから一時間ほどして、目賀野は医師やら博士の姪《....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
続けない。 「どうしたんだ、昨夜の九時五分以後は……」 「はい。私は自分の部屋へ
引取りまして、そして睡りましてございます。あのウ……」 家政婦は途中でいい淀ん....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
らせるが可いと、私は思う。……分けて、現在、殊にそのお七のごときは、姉上が海へお
引取りになった。刑場の鈴ヶ森は自然海に近かった。姉上は御覧になった。鉄の鎖は手足....
「一九五〇年の殺人」より 著者:海野十三
……」 「あれは人質にとっといて今日から下水掃除をさせる。辛けりゃ早く金を納めて
引取りに来い」....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
が肩をあげて睨め着くる。その中にやさしき顔のかの烏帽子|被れる児の払をば、国麿の
引取りて、背後の方に居て、片手を尻下りに結びたる帯にはさみて、鷹揚に指揮するなり....
「山吹」より 著者:泉鏡花
チュウと吸う)別して今日は御命日だ――弘法様が速に金ぴかものの自動車へ、相乗にお
引取り下されますてね。 万屋 弘法様がお
引取り下さるなら世話はないがね、村役場の....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、かえってその方が物騒じゃ、家内の者注意怠るな、一同の者、きっと叱り置くぞ、早々
引取りませい、とお捌きあり。 あっちでもこっちでもぶつぶつがらがら、口小言やら....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
野郎の方は南瓜に向顱巻でも構わない。が、そんな異相な木彫とすると、どこの宮堂でも
引取りません。全身の獅子を刻んで、一本松――あの附近の神社へ納めたんです。 名....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、そんな事を云って、お前さん。」 「谷へ下りたから、あのまんま田畝へ出て、木賃へ
引取りましょうよ。もう晩方で、山に稼ぎはなし、方角がそうなんですもの。」 「だっ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
居した。皆川町から飯田町時代は児供が二人となった上に細君(先妻)の妹を二人までも
引取り、両親にも仕送っていたから、家計は常に不足がちであった。その上に二葉亭は、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
返して、病人本間の様子を見舞い、身支度して出直さんと本郷に帰りけるに、早警官等は
引取りつ。泰助は医師に逢いて、予後の療治を頼み聞え、病室に行きて見るに、この不幸....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
と云って、室を出ようとすると、出合頭に山本桂一が顔を出して、 「川口氏は只今息を
引取りました。杉村さん、これでこの事件もやっと片附きましたね」と晴々した顔で二人....