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「引寄せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引寄せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
しよ」 新「お前こんなに思って居るのに」 と夢中になりお園の手を取ってグッと引寄せる。 園「アレお止し」 と云ううち帯を取って後《うしろ》へ引倒しますか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
え、私はお茶番の孝女ですから。」 「まあ、御褒美を差上げましょう。」 と主税が引寄せる茶道具の、そこらを視めて、 「お客様があったのね。お邪魔をしたのじゃあり....
思い出の記」より 著者:小泉節子
せます。それが大層気に入りまして、あれを買いましょうこれも買いましょうと云って、引寄せるのです。そんなに沢山要りませんと申しましても『しかし、あなた、ただ一円五....
山県有朋の靴」より 著者:佐々木味津三
国の出来ごとのように、ふわりとした顔をして、頬杖をついたまま、あいた片手で銚子を引寄せると、物憂げに盃を運んだ。 「まあ。お可哀そうに。ひとりぽっちなのね」 ....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ら中直りに一|杯飲んで、両人で一緒に寝よう」 と云いながらおみねの手首を取って引寄せる。 みね「およしよ、いやだよウ」 川柳に「女房の角を□□□でたゝき折り....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
十五 「そして、御坊様は、これからどこまで行かっしゃりますよ。」 包を引寄せる旅僧に連れて、姥も腰を上げて尋ねると、 「鎌倉は通越して、藤沢まで今日の....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
とは云わん、僕も君の手から只取るのじゃアない、君は此の女子を愛して首へ手を掛けて引寄せるくらいに思うて居るから、一旦君が千円出して遣れば、其の金を附けて実兄の処....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のだ。そこで案の如く斬られてしまった。あれは眼のあいた奴にはできない芸当だ、あの引寄せる力がめあきにはない。おれも今までずいぶん、命知らずと戦った、また千葉の小....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
」 「はい、」 「それではどうぞ、思い直して、」 「私はもう、」 と衝と前褄を引寄せる。岩の下を掻いくぐって、下の根のうつろを打って、絶えず、丁々と鼓の音の響....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
、入れ、入れ、さあさあさあさあ、と水が引き引き、ざわざわと蘆を誘って、沼の真中へ引寄せる。 小松原は立ったまま地※を踏んだが、 「ええ! 腑効ない。」 どっ....
青春論」より 著者:坂口安吾
サリを太刀にまきつけたらもうしめたもので、クサリ鎌使いの方は落着いてジリジリ敵を引寄せるなどと言うけれども、そんな間抜けなクサリ鎌使いはいないそうで、分銅のまき....
南国太平記」より 著者:直木三十五
手は 「歩きます」 と、いった。然し、益満が、綱手の腰へ、後ろ手に手をかけて、引寄せると、よろめいて、もたれかかった。そして、一寸、身体を反らしたが、そのまま....
夜光虫」より 著者:織田作之助
うに首筋まで赧くなった。 お加代は抱いていた手にぐっと力を入れて、豹吉の想いを引寄せるように、その娘の肩を引き寄せると、 「――東京で焼け出され、大阪へ流れて....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、あああ。」 と傍の茶棚の上へ、出来て来たのを仰向いてのせた、立膝で、煙草盆を引寄せると、引立てるように鉄瓶をおろして、ちょいと触ってみて、埋けてあった火を一....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
」 と云いながらよう/\床から這い下りてへえしという囲い梨の這入った籠をそばへ引寄せる途端に表へ下りたのは、其の頃の山駕籠でございます。駕籠の脇に連添う一人の....