引手茶屋[語句情報] » 引手茶屋

「引手茶屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引手茶屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
て、浮かれ烏の塒《ねぐら》をたずねた末に、仲《なか》の町《ちょう》の立花屋という引手茶屋《ひきてぢゃや》から送られて、江戸町《えどちょう》二丁目の大兵庫屋《おお....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
二 お時が案じていた通り、外記は丁度そのころ吉原の駿河屋《するがや》という引手茶屋《ひきてぢゃや》に酔っていた。 二階座敷の八畳の間《ま》は襖も窓も締め....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の門前……。それから帰りに覗いて見ましたら、女の家は桂庵で、主にあの辺の女郎屋や引手茶屋や料理屋の女の奉公人を出したり入れたりしているようです。女は去年の三月頃....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 明治三十年三月十五日の暁方に、吉原|仲の町の引手茶屋桐半の裏手から出火して、廓内百六十戸ほどを焼いたことがある。無論に引手茶....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
わせているらしかった。果たして岩亀の店口から二人づれの男が出てきた。そのあとから引手茶屋の女が付いて来た。それをみると、ロイドは柳の蔭からつかつかと出て行って、....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
ッと消すと……居合わす十二三人が、皆影法師。 仲の町も水道尻に近い、蔦屋という引手茶屋で。間も無く大引けの鉄棒が廻ろうという時分であった。 閏のあった年で、....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ことにお恥かしいことでございますが、その頃わたくしの家は吉原の廓内にありまして、引手茶屋を商売にいたしておりました。江戸の昔には、吉原の妓楼や引手茶屋の主人にも....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、と手折った枝に根を生す、返咲の色を見せる気にもなったし、意気な男で暮したさに、引手茶屋が一軒、不景気で分散して、売物に出たのがあったのを、届くだけの借金で、と....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
にならない筈……」 と無雑作な中腰で、廊下に、斜に向合った。 「吉原の小浜屋(引手茶屋)が、焼出されたあと、仲之町をよして、浜町で鳥料理をはじめました。それさ....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
、ほとんど夢中になってしまったのでございます。四谷辺では新宿の貸座敷の近所にある引手茶屋や料理茶屋の奥二階を会場にきめて、毎日のように勝負を争っていましたが、そ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、これは洲崎に居た年増に貸してあったが、その婦人は、この夏、弁天町の中通に一軒|引手茶屋の売物があって、買ってもらい、商売をはじめたので空家になり、また貸札でも....
式部小路」より 著者:泉鏡花
」 「それだよ、その事だよ、何も、押借や強談なら、」 しかり、押借や強談なら、引手茶屋の女房の、ものの数ともしないのであった。 「別に心配な条じゃないがね、風....
雪柳」より 著者:泉鏡花
中庵の門人、四五輩。寛延|年不詳、霜月のしかも晦日、枯野見からお定まりの吉原へ。引手茶屋で飲んだのが、明日は名におう堺町|葺屋町の顔見世、夜の中から前景気の賑い....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
比べると、文壇では大家ではないが、或る新聞小説家が吉原へ行っても女郎屋へ行かずに引手茶屋へ上って、十二、三の女の子を集めてお手玉をしたり毬をついたりして無邪気な....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
門の中へ入って行った。国太郎の心には不思議なものが残った。 四引手茶屋山口巴から使を出して招んだ得意客を待受け、酒宴をして居ると夕暮になった。....