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引抜く
「引抜く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引抜くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
うとうと眠ったかと思いますと、急になんだか寝苦しくなって、誰かが髪の毛をつかんで
引抜くように思われるので、夢中で声をあげますと、それがあなた方にも聞えまして、宗....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
手跡だから宜しい、さ是から庭へ出て敵討だ/\」 と云うと大藏は耐えかねて小刀を
引抜くが早いか脇腹へ突込んで引廻しました。 祖「汝れ切腹致したな」 と祖五郎が....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
。
板じきのつき当りが、木ぶすま――法印、その木ぶすまの、釘錠《くぎじょう》を
引抜くと、いくらかためらったが、思い切って、ガラリと開けて中をのぞき込んだ。
....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
のんで居る位に心掛けて、怪しい者が来ると脊負て居る包を放ねて置いて、懐中の合口を
引抜くと云う事で始終|山国を歩くから油断はしません。よく旅慣れて居るもので御座り....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
のを見る、と涙を流して、共に死のうと決心した。 葛籠に秘め置く、守刀をキラリと
引抜くまで、襖の蔭から見定めて、 (ああ、しばらく、) と留めたは、さて、殺し....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
洗の絵を、絵で見るじゃありませんか。」 「あそうか、清麗|楚々とした、あの娘が、
引抜くと鬼女になる。」 「戻橋だな、扇折の早百合とくるか、凄いぞ、さては曲者だ。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「黙れ! 黙って駕籠を持って来い」 嚇《おどか》しておいて、長いのをスラリと
引抜くのではなく、懐中から投げ出したのは若干の酒料《さかて》らしい。 用水桶の....
「郷土的味覚」より 著者:寺田寅彦
月頃であろうか。とにかくうすら寒い時候に可愛らしい筍をにょきにょきと簇生させる。
引抜くと、きゅうっきゅうっと小気味の好い音を出す。軟らかい緑の茎に紫色の隈取りが....
「別れの辞」より 著者:豊島与志雄
いてだよ……知ってるだろうね。」 「知ってるつもりです。」 「ああしたところから
引抜くには、容易なことじゃない。おけいのことも、君には分ってる筈だ。」 「それで....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
かれません、何うあっても貸されませんか」 と威して取ろうと思いまして、ピカリと
引抜く刀の光りに、百姓だから驚きまして、トッ/\と逃出したから、右内は跡を追掛け....
「魔都」より 著者:久生十蘭
。……何をするか、待っていろ、女《あま》め!」
帯をとくと、襟を掴んで、ぐいと
引抜く。肌理《きめ》の細かい、ふっくらとした絖《ぬめ》のような白い肩が……。あわ....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
の三味線の間に、白拍子の花子が、上に着ている衣裳をぬぐのでございます――つまり、
引抜くのでございますが、普通の踊りの時のように、踊りの手をやめたり、舞台の後方へ....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ぎたる多血質の人物との解剖を見るべく、またかの筍掘《たけのこほ》りが力一杯に筍を
引抜くと共に両足を空様《そらざま》にして仰向《あおむき》に転倒せる図の如きは寔《....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
からだ》にモヤモヤと毛が生えているからその毛を抜いて腹を割って腸《はらわた》だけ
引抜くがそこに大層むずかしい事のあるのは下手《へた》に腸を抜くとその上にある黄身....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
いて大声を揚げ、 重「泥坊/\」 と呶鳴ると、彼の侍は突然腰に帯して居た一刀を
引抜く刃の光に、重三郎は堪らんと心得て逃げたが、横へ切れゝば宜いのに真直に往った....