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「引据える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引据えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ったろう。 「余り高価いよ。」と立ちかける。 「お幾干で? ええ、旦那。」 と引据えるように圧えて云った。 「半分か。」 「へい。」 「それだって廉くはない。....
無系統虎列剌」より 著者:夢野久作
から聞いた話に非常に憤慨して、大急行で帰って来た息子の医学士を、斎藤さんの霊前に引据えると、刑事の面前で、 「ソンナ悪人の娘は、お前の嫁に貰う訳に行かぬ」 と....
ヒューマニズムへの道」より 著者:宮本百合子
ない今日の多数のインテリゲンツィアを、先ず自身の日常の可能の自覚の前にぴったりと引据えること、その任務こそ、ヒューマニズムが生新溌剌とした新文芸思潮として負うて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その近いところまで、大地をズルズルと引きずって来て、親方と枕を並べたところへ引据えると、それを打つ、蹴る、なぐる、翻弄《ほんろう》する、有らん限りの虐待を加....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いね、少しの間、ここへ、私を隠しといて下さい、たのみますよ」 その人が、与八を引据えるようにして、自分もそれと向い合って、炉辺に坐りこんでしまったのを見ると、....
魔都」より 著者:久生十蘭
がら、笑子は加十を壁に添った奥まったテーブルの方に導いて行き、そこの椅子に加十を引据えると、 「ちょっと待っててね、逃げ出したりしたら承知しねえぞ」 と艶然た....