引揚げ[語句情報] »
引揚げ
「引揚げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引揚げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
ね、すっかり焼香の済んだのが、六時ちっと廻った時分。後で挨拶をしたり、……茶屋へ
引揚げて施主たちに分れると、もう七時じゃないか。 会は夜あかしなんだけれど、ゆ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
イタリアの反乱軍の手によって殺害されたと伝う。 ◯モロトフ氏、急いで桑港会議より
引揚げ、モスクワに帰る。イーデンはまだうろうろしている様子だが、これもいずれ帰る....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
、そのあとのことを遂にあきらめた。 「運搬はやめる。隊員はそれぞれの艇へいそいで
引揚げなさい」 「先生、いま運搬をやめては、『宇宙の女王』号はよていした燃料の三....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
しかし、もしもこのことが不成功のあかつきには、われわれは即刻この『魔の空間』から
引揚げないと危険なのです」 「それはどういうわけか」 「これは私の調べた結果です....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ころを射殺しました日本のスパイ士官らしい死体が浮かんでいるのを発見いたしまして、
引揚げてあります。ごらんになりますか」 「なに、あの川上機関大尉の死体が発見され....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
分際で、薄汚い。いろも、亭主も、心中も、殺すも、活すもあるものか。――静にここを
引揚げて、早く粟津の湯へ入れ――自分にも二つはあるまい、生命の養生をするが可い。....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
てくれるのであろう。小褄を取った手に、黒繻子の襟が緩い。胸が少しはだかって、褄を
引揚げたなりに乱れて、こぼれた浅葱が長く絡った、ぼっとりものの中肉が、帯もないの....
「古狢」より 著者:泉鏡花
…その姿で。……お町さんとかも、褄端折をおろさずに。――お藻代も、道芝の露に裳を
引揚げたというのであるから。 一体黒い外套氏が、いい年をした癖に、悪く色気があ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
一 寒くなると、山の手大通りの露店に古着屋の数が殖える。半纏、股引、腹掛、溝から
引揚げたようなのを、ぐにゃぐにゃと捩ッつ、巻いつ、洋燈もやっと三分心が黒燻りの影....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
猿智慧でするこッた、現にお前さん、多勢黒山のような群集の中で、その観音様を一人で
引揚げて来たじゃあないか。人の大事にするものを取って来るのは何でもないが、私がい....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
で、何しろ、どこか一つ窓へ顔を出して方角を極めようとしましてね、窓掛だ、と思って
引揚げましたのが、その蔽だったんでしょう。箱の中に飾っておきます骸骨に、ぴったり....
「白光」より 著者:井上紅梅
の中に一つの土左衛門を見た人があって大騒ぎとなり、終に地保の耳に達し、土地の者に
引揚げさせてみると、それは五十余りの男の死体で、「中肉中脊、色白く鬚無し、すっぱ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
に挟んで、すっと立った。 前髪に顔を寄せ、 「何だか落着きません、一度、茶屋へ
引揚げよう。」 その夜も――やがて十一時――清水の石段は、ほの白く、柳を縫って....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
蹴られて、五が出て、三が出て、六が出て、ポンと欄干から大川へ流れたのを、橋向うへ
引揚げる時五番組の消防夫が見た事と。 及び軍鶏も、その柳屋の母娘も、その後行方....
「活人形」より 著者:泉鏡花
出づれば、得右衛門待受けて、彼はお藤を背に荷い、これは下枝を肩に懸けて、滑川にぞ
引揚げける。 時正に東天紅。 暗号一発捕吏を整え、倉瀬泰助|疾駆して雪の下に....