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引換え
「引換え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引換えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
やりたい気もちがあった。そこで彼は大井が一息ついたのを機会《しお》にして、切符と
引換えに受取ったプログラムを拡げながら、話題を今夜演奏される音楽の方面へ持って行....
「運」より 著者:芥川竜之介
《や》だから、中は鼻がつかえるほど狭い。が、簾の外の往来が、目まぐるしく動くのに
引換えて、ここでは、甕《かめ》でも瓶子《へいし》でも、皆｜赭《あか》ちゃけた土器....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
って、再びウラル号を駆って海底の冒険に乗出した。 ところが意外なことに、昨日に
引換え、今日はレーダーに怪人城塞が感じなかった。 どうしたんであろうか。 た....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ごろ、明治昼夜銀行目黒支店に突如として現われ、そこで小切手九十九円八十銭を出し、
引換えに十円紙幣で九十円と、外にニッケル銅貨で二円の棒包みを四本にバラで一円八十....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
まちょっと引っこんだかと思うと、すぐにまたそれを持って出て来て、幾らかの手数料と
引換えに渡してくれたのなぞは、その官憲の無造作にむしろ驚かされた程だった。 こ....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ているこの私でさあ。香りの高いコーヒー一杯と、スイス製のチーズをつけたトーストと
引換えに、私はあのヒルミ夫人の冷蔵鞄のなかに何が入っているかを話してあげてもいい....
「薬」より 著者:井上紅梅
る処まで散らばった。老栓はあぶなく突き飛ばされそうになった。 「さあ、銭と品物の
引換えだ」 身体じゅう真黒な人が老栓の前に突立って、その二つの眼玉から抜剣のよ....
「発明小僧」より 著者:海野十三
にかかるものである。およそ人間というものは、しつけの悪いもので、電車に乗って金と
引換えに切符や乗車券を渡して置くと、「折らないで下さい」と再三注意を与えて置くに....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
の恵比寿屋であるというので、帰るときに義助は傘をさして送って出た。今までの混雑に
引換えて、雨の降りしきる往来に人通りは少なかった。義助はあるきながらそっと訊いた....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
スにして、ハリスは真実｜好意を以て我国に対したりしも、後任のブライン氏は前任者に
引換え甚だ不親切の人なりとて評判宜しからず。小栗上野介が全盛の当時、常に政府に近....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
、門徒宗の方に於て開山聖人さまの御影像を取戻し度くば、生首二つ持参いたせ。それと
引換えに渡してやろうと、かような返事との噂を聞きました。お上人さま、そりゃ本当で....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
両の半分――四千両が不意に授かるようになった。併しその四千両は……大事な娘の命と
引換えになったのだ。 （聴いている三人も思わず顔を見あわせる。） 李中行 ああ、....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
された東京の廃頽気分とが結び付いて勢い女道楽とならざるを得なかった。椿岳は取換え
引換え妾を持って、通り掛りに自分の妾よりも美くしい女を見ると直ぐ換えたというほど....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
味わされたものよりもヨリ以上何物をも加えなかった。加之ならず『浮雲』の若々しさに
引換えて極めて老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた。言換えると『浮....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
ったら、よもや、返すのをいやだと仰せられますまい。 花の手に育った松吉はそれに
引換えて色黒で頑丈なしっかりした児でした。しかし、花は弱くっても、悪質の遺伝を持....