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「引明け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引明けの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しまったんです。一旦は息を吹き返しましたけれども、なにぶんにも傷が重いので、夜の引明けにはやはり眼を瞑ってしまいました」 「それで主人はどうしました」とわたしは....
冥土行進曲」より 著者:夢野久作
央には何かあって手を突込んでみると、下はからになっているらしい。こころみに両手で引明けてみると三尺ばかり下には階段があって、青い電燈が点っているのが見える。 ....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
す」 勇「隣の白翁堂です」 新「お早い事、年寄は早起だ」 なぞと云いながら戸を引明け 「お早う入らっしゃいました、何か御用ですか」 勇「貴方の人相を見ようと思....
平凡」より 著者:二葉亭四迷
飛降りて、車賃も払ったか、払わなかったか、卒然《いきなり》門内へ駆込んで格子戸を引明けると、パッと灯火《あかり》が射して、其光の中《うち》に人影がチラチラと見え....
丹下左膳」より 著者:林不忘
だからなあ」 「おう、吉や、その、てめえ今いった、不知火銭たあなんでえ」 夜の引明けです。 本郷は妻恋坂のあたりは、老若男女の町内の者が群集して、押すな押す....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ころへ――」 「頂上への?」 「お連れでございますか」 「連れ?」 「今朝、夜の引明けに、四人連れで、お登りになりましたが、お武家衆ばかり、珍らしゅう、何かござ....
山の湯の旅」より 著者:上村松園
の外に、松篁のお友達が二、三人加わっていました。 夜汽車で京都を出まして、夜の引明け頃松本から乗合で出ました。するとまだ朝の気が立ち罩めている間に、早くも発甫....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
びに行って不在であった。栄太の死体が納豆売りの注進によって発見されたのは、今日の引明けで、表土間の血溜りから小僧が不審を起したのであった。家は内部《なか》から巌....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
も珍しくなかったが、ことにこの冬になってから一番寒いある日の、薄氷さえ張った夜の引明け七つ半という時刻であった。出入先の同心の家で、ほとんど一夜を語り明かした藤....
寺町」より 著者:岩本素白
昔東京では提灯|引けといって、言わば狐鼠々々と取片附けるというような葬いは、夜の引明けに出したものだそうであるが、それ程ではなくともこうした朝早くの葬式は、やは....
山の人生」より 著者:柳田国男
くからあることで、じつはどんな風に長いのか、日本人には考えもつかぬ。とうてい夜の引明けなどに眼につくような特徴ではなかったのである。山丈のジョウは高砂の尉と姥な....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
立止まって見ていたいような気持になったことも折々ある。それよりも忘れ難いのは夜の引明けに、二階の寝室の窓を開いて、ああ美しいと思って見たことが何度かある。それが....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
。鳥の世界でも、やはり雄の方が機嫌を取るらしい事実はある。たとえば百舌などは夜の引明けに、小高い木の枝に二羽ならんでいて、その一羽だけが何度でも下に降りて、巣に....