» 引替

「引替〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引替の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
活人形」より 著者:泉鏡花
後より追々にし出ださんずる悪計の、人に知られんことを恐れしなりけり。昨日の栄華に引替えて娘は明暮不幸を喞ち、我も手酷く追使わるる、労苦を忍びて末々を楽み、たまた....
春昼」より 著者:泉鏡花
、いや抓んだ爪の方が黄色いくらいでござったに、正のものとて争われぬ、七|両ならば引替えにと言うのを、もッと気張ってくれさっせえで、とうとう七両一|分に替えたのが....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
でおきたかったんだけれども、話しかけた事じゃあるし、どうして、中途から弁舌で筋を引替えようという、器用なんじゃ無い。まじまじ遣った……もっとも荒ッぽく……それで....
二階から」より 著者:岡本綺堂
を見て、太宗寺の御閻魔様の御繁昌を窃かに占うに過ぎません。 家々に飼犬が多いに引替えて、猫を飼う人は滅多にありません。家根伝いに浮かれあるく恋猫の痩せた姿を見....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
来やアしないかと思って……。」 「いいえ、お見掛申しませんね。」 お杉は昨日に引替えて、極めて叮嚀な口吻であった。が、市郎は中々油断しなかった。 「親父は来な....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
に跟《つ》いてお伴をする事に相成った。 翌日午前七時、昨日《きのう》までの雨に引替えてギラギラ光る太陽に射られながら水戸出発、右に久慈川《くじがわ》の濁流を眺....
春泥」より 著者:久保田万太郎
の雨がかれの耳にも冷々と音を立てゝいた…… が、あの日のビショ/\したけしきに引替えて何という今日は馬鹿な天気だろう。真っ青に晴れた空、うら/\とした明るい日....
罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
とう最後の言葉を呟いた。彼は玉島を殺して終おうと決心したのだった。 彼は玉島と引替えにするような、彼の安い生命を嘲った。然し、彼は他に生きる道はないのだ。あの....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
うものは兎角こんな風に皮肉ばかりが多いものとみえて、兄のすこぶる退屈しているのに引替え、これはまたすこぶる退屈しなくなり出した者は、主水之介にいとしい思い人の京....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
ます」 「あれか。約束と申すは攘夷実行の口約か」 「はっ。恐れ乍ら和宮様御降嫁と引替えに、十年を出ずして必ず共に攘夷実行遊ばさるとの御誓約をお交わしなさりました....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
私が此処に居ることを知って居るものも有ろうけれども、一人も訪ねてくれる者も無いに引替え、手前は新参でありながら、主従苦楽を共にして、斯様な処に来て、商いの買出し....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
からお酒が始まるとボーンと子刻に成りますから、昼だか夜だか頓と分りません。それに引替えて今の権妻は権威が附いたのか、旦那の為に学問を為ようといって御勉強でござい....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
穿きになって此処へ来て、田舎者の仮声を遣って取った所が只た八十両べえの金、それに引替え己ア旦那様などは座蒲団の上に坐って煙管を啣え、はてなアと一つ首を捻り考える....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
水助右衞門を殺し、奪取った三千円の金から身代を仕出し、大したものになりましたのに引替え、助右衞門の忰重二郎は人力を挽いて漸々其の日/\を送る身の上となりましたか....
松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
から、己が一人でお前の車へ乗るから、往ってくれゝば金を借りて渡すから、此の煙管と引替に売って下せい」 車「宜しゅうございます……御新造さんは知らねえのか……いや....