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「引起す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引起すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
洋傘《こうもり》を手にしながらやって来る節子を待った。外出した途中でよく脳貧血を引起すという節子のことが何よりも彼には気掛りであった。 「節ちゃん、今日は大丈夫....
無惨」より 著者:黒岩涙香
纜の英国船にて上海に向け出帆したる後の祭にて有たれば大鞆の気遣いし如く一大輿論を引起すにも至らずしてお紺まで放免と為れり去れど大鞆は谷間田を評して「君の探偵は偶....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
引ずり出されて来る、庄吉は直に縛られてしまい、又是は何者か顔を揚げいと髻を取って引起すと若し……此処な家の夫の七兵衞さんの死骸が出たのじゃが」 永「えゝ何……死....
マクシム・ゴーリキイの伝記」より 著者:宮本百合子
流血、殴打、ひどい言葉の愚弄、それらはどれもゴーリキイに堪え難く、肉体的な苦痛を引起すのであった。だが、彼の生きる暗い環境の中ではその苦しさが常に極度にまで緊張....
姑と嫁について」より 著者:与謝野晶子
として立とうと決心していたほど新代の芸術に対する渇仰もある婦人が、こういう惨事を引起すに至ったについては何か特別な理由がなくてはならない。私は諸新聞の態度が初め....
女の一生」より 著者:森本薫
ば、支那はやがて第二のバルカンだ。今ヨーロッパでやってるような戦争をアジヤでも又引起すことになるのだ。 けい それだからいうのですよ。国民党を援けると決めたなら....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なるところへ飛び込みでもしようものならば、なんともかとも言い難き椿事《ちんじ》を引起すのであります。 だから彼等としても、周章狼狽の極にありながら、身が粉《こ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
武芸者だと睨《にら》んでかかるのですな。それが都合のよいこともありますが、滑稽を引起すことも珍しくはない。いや、武術も少しやるにはやりました。拙者の藩は小藩です....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、自分の存在の客観的な意義を理解しない、理解する力をもたぬことは実に恐しい誤りを引起すものです。ジイドにしろ。だから、あなたが私の客観的理解力、進退等についてい....
白光」より 著者:井上紅梅
っては当然問題ではない。死人の衣服を剥ぎ取ることはいつもあることで、謀殺の疑いを引起す余地がない。そうして検屍の証明では、「生前、水に落ちて水底に藻掻いたから、....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
り観客多くして、動物に食物をあまり多く与えすぎるより、胃腸を害して、翌日は病気を引起すのである。小僧や学生にもこの病気は普通である。 上州のある製糸家の話に、....
こま犬」より 著者:岡本綺堂
かの小袋ヶ岡の一件だ。そこがどんな所であるかは勿論知っているが、近頃そんな問題を引起すについては、土地の様子がどんなに変っているかという事を知りたくもなったので....
旧藩情」より 著者:福沢諭吉
こと》にするのみならず、針小《しんしょう》の外因よりして棒大《ぼうだい》の内患を引起すべきやも図るべからず。 しかのみならず、たといかかる急変なくして尋常《じ....
平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
さい」 「は、はい……」 薄ッすらと眼を開けたが、すぐまた、がッくりとなるのを引起すようにして、乙平、 「弱ッちまッちゃいけない。それじゃ亭主に逢えんぞ。確《....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
伸ばして彼のズボンの裾をしっかり握って離さない。彼の癇癪は遂々爆発した。彼は女を引起すのに残酷とは知り乍ら、多少心得のある柔道の手を用いた。すると女はけろりとし....