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「弛い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弛いの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
濡色が滴るばかり。お納戸の絹セルに、ざっくり、山繭縮緬の縞の羽織を引掛けて、帯の弛い、無造作な居住居は、直ぐに立膝にもなり兼ねないよう。横に飾った箪笥の前なる、....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
、松火の光に照らされて、その辺一面|青苔によって飾られているのが窺われた。階段は弛い勾配をもって高く上へ懸かっている。 船は階段へ横付けになった。 一人の水....
新世帯」より 著者:徳田秋声
いに沈んでいた。裏手の貧乏長屋で、力のない赤子の啼き声が聞えて、乳が乏しくて、脾弛いような嗄れた声である。四下はひっそとして、他に何の音も響きも聞えない。お作は....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
高。 薩摩下駄の小倉の緒、太いしっかりしたおやゆびで、蝮を拵えねばならぬほど、弛いばかりか、歪んだのは、水に対して石の上に、これを台にしていたのであった。 ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
。ラシイヌも睡気を感じたので立ち上がって寝台へ行こうとした。不思議とどうにも体が弛い。「変だぞ」と彼は呟きながら室の内をいそいで見廻した。マハラヤナ博士もレザー....