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「弛張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弛張の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
闘争」より 著者:小酒井不木
とを言うのは僭越だが、心臓の血圧の曲線を観察すると、かのトラウベ・ヘーリング氏の弛張がある。心臓は生れてから死ぬまで搏動を続けて居なければならぬから、一対ずつ存....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
。 すると、ドイツ人はすぐに、発動機なしで、もちろん水素なども使わず、ただ風の弛張と上昇気流を利用するだけで上空を翔けり歩く研究を始めた。 最近のレコードと....
春寒」より 著者:寺田寅彦
ト・オラーフの奇蹟が幾度となく現われては消え、消えては現われた。そして音の高低や弛張につれて私の情緒も波のように動いて行った。異国の遠い昔に対するあくがれの心持....
笑い」より 著者:寺田寅彦
い。そうして子細に考えてみると緊張に次ぐ弛緩の後にその余波のような次第に消え行く弛張の交錯が伴なうように思われる。しかし弛緩がきわめて徐々に来る場合はどうもそう....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
物であって、太鼓の音の最も単純なリズムがこの一編のライトモチーフであり、この音の弛張が全編のドラマの曲折を描いて行くのである。ヒロインの心臓はこの太鼓の音と共に....
天災と国防」より 著者:寺田寅彦
速だけを目安にして勘定したりするようなアカデミックな方法によって作ったものでは、弛張のはげしい風の息の偽週期的衝撃に堪えないのはむしろ当然のことであろう。 そ....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
や風の吹くのを見てもそれは決して簡単な一様な流動でなくて、必ずいくらかの律動的な弛張がある、これと同じように生物の発育でも決して簡単な二次や三次の代数曲線などで....
鴫突き」より 著者:寺田寅彦
しかもまだ御形も芽を出さず、落寞として霜枯れた冬田の上にはうすら寒い微風が少しの弛張もなく流れていた。そうした茫漠たる冬田の中に一羽くらい鴫が居るのを見付け出す....
海陸風と夕なぎ」より 著者:寺田寅彦
しまう。しかし、そのような場合でも詳細に調べてみると、やはり海陸風に相応する風の弛張が認められない事はないのである。 夕なぎというのは昼間の海風から夜間の陸風....