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弱り
「弱り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弱りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
めんとせしは我が誤ちなりし、造化至妙の人世という活学校に入りて活字をなすべしと、
弱りたる気を自ら皷舞して活発に働きしゆえ、大いに一同に愛敬せられ、思いの外の学者....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
入れを出した。
「当年は梅雨《つゆ》が長いようです。」
「とかく雲行きが悪いんで
弱りますな。天候も財界も昨今のようじゃ、――」
お絹の夫も横合いから、滑かな言....
「或る女」より 著者:有島武郎
《な》いでから、気温は急に夏らしい蒸し暑さに返って、横浜の市街は、疫病にかかって
弱りきった労働者が、そぼふる雨の中にぐったりとあえいでいるように見えた。
靴《....
「或る女」より 著者:有島武郎
うな鈍い声でいい出した。
「全くはおれが悪かったのかもしれない。一時は全く金には
弱り込んだ。しかしおれは早や世の中の底潮《そこしお》にもぐり込んだ人間だと思うと....
「星座」より 著者:有島武郎
またふらふらとその店を出た。
彼は人通りの少ないアカシヤ通の広い道を、何んだか
弱りしょびれた気持になって、北の空から吹きつける雪に刃向って歩いていった。彼は自....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
せるようだ』と答えれば、船頭已に玉網を手にして起ち、『急いではいけません、十分で
弱りきるまで痿やして。』と言いつつ例の如く、直ちに水押の上に俯して、半身殆ど船外....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
太郎さんと林蔵と三人で爺から鹿島槍に出かけたのに比して、たった一年間に、何という
弱りようをしたものだろうと思ったからである。だが、朝の山路はいい。殊に雨に洗われ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
して奔命に疲れしむるとともに墺軍主力はシュレージエンの占領を企図したので、大王も
弱り抜いて十月下旬遂にシュレージエンに転進するに決した。その時西方の敵再び前進し....
「活人形」より 著者:泉鏡花
っと助けてあげます。と真実|面に顕るれば、病人は張詰めたる気も弛みて、がっくりと
弱り行きしが、頻に袂を指さすにぞ、泰助は耳に口、「何です、え、何ぞあるのですか。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
え、いいえ、私だって、幾度も、お玄関で。」 「あやまります、恐入ります。お玄関は
弱り果てます。」 「おうかがいはしたんですけれど、しんとして、誰方のお声も聞えま....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
「御串戯を。」 クイッ、キュウ、クック――と……うら悲げに、また聞える。 「
弱りました。あの狗には。」 と小村さんはまた滅入った。 のしのしみしり、大皿....
「女客」より 著者:泉鏡花
夏中蚊帳が無くっては、それこそお家は騒動ですよ。」 「騒動どころか没落だ。いや、
弱りましたぜ、一夏は。 何しろ、家の焼けた年でしょう。あの焼あとというものは、....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
。」 と翁は、白く笑った。 「大慈大悲は仏菩薩にこそおわすれ、この年老いた気の
弱りに、毎度御意見は申すなれども、姫神、任侠の御気風ましまし、ともあれ、先んじて....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
心当りはまるでない。 「松村です、松村は確かだけれど、あやふやな男ですがね、
弱りました、弱ったとも
弱りましたよ。いや、何とも。」 上脊があるから、下にしゃ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
の涙、金鍔の涙。ここで甘い涙と申しますのは。――結膜炎だか、のぼせ目だか、何しろ
弱り目に祟り目でしょう。左の目が真紅になって、渋くって、辛くって困りました時、お....