弱り目[語句情報] » 弱り目

「弱り目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弱り目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
った。ところが人間万事|塞翁《さいおう》の馬、七転《ななころ》び八起《やお》き、弱り目に祟《たた》り目で、ついこの秘密が露見に及んでついに御上《おかみ》の御法度....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
の住所を極秘にしていることは、何か特別のわけがなければならなかった。課長がすこし弱り目を見せたところを見てとった記者団は、そこで課長の心臓をつくような質問の巨弾....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
賛成さえしているということは、大いに意味のある現象なのだ。 だが学生の社会的な弱り目の他にカフェーの問題に就いてもう一つ考えておかねばならぬ条件がある。学生を....
風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
小屋のらんまで透して、湿らせる。 ちょうど、梅雨期のような不愉快さ、不健康さを弱り目に受けて、イレンカトムは、始終頭痛がしていた。寝ても覚めても、耳の中で、虫....
浚渫船」より 著者:葉山嘉樹
横痃《よこね》ででもあるかのように、そいつは痛かった。 ――横痃かも知れねえ。弱り目に祟り目だ。悪い時ゃ何もかも悪いんだ。どうなったって構やしない。―― 「そ....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
の強烈な電気に相当参っているところへ、あの硝子の裂け目へつっかかったんで、二重の弱り目に祟り目で、沼の中へ落ちこんだまま、匍い上りも飛び上りも出来なくなったんで....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
の涙、金鍔の涙。ここで甘い涙と申しますのは。――結膜炎だか、のぼせ目だか、何しろ弱り目に祟り目でしょう。左の目が真紅になって、渋くって、辛くって困りました時、お....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ず下痢を催すのである。懐炉を腹にあてて残暑の炎天を上野へ急ぐ辛さは深い。 その弱り目において、自分の絵を明る過ぎる壁面に曝して見るのである。心萎びてしまう。招....
源氏物語」より 著者:紫式部
を残した乳母《めのと》というような人、もしくはこの家を代々敵視して来た亡魂とかが弱り目につけこんでくるような、そんなのは決して今度の物怪の主たるものではないらし....
源氏物語」より 著者:紫式部
ているうちに御息所の容体は最悪なものになっていった。物怪などというものもこうした弱り目に暴虐をするものであるから、御息所の呼吸はにわかにとまって、身体は冷え入る....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
い、亭主の顔みイみイ、おっさんどないしてくれまんネいうて、千度泣いたると、亭主も弱り目にたたり目で、とうとう俺を背負うて、親父のとこイ連れて行きよった。ところが....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
から外れて、栞の胸にもたれている。 「父には以前から、股に刀傷がございましたが、弱り目に祟り目とでも申しましょうか、乱心しますと一緒に、悪化くなり、とうとう躄者....
わが寄席青春録」より 著者:正岡容
この時代の権太楼夫人が、戦後、離婚して家庭裁判まで起こし世間を騒がせた女性で、弱り目に祟り目で相前後して権太楼君は記憶喪失症になって病床にあること多年だったが....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
て黙りこくっていた。 さても長い芝居ではあった。見込まれた近江屋と因業久兵衛の弱り目はさることながら、狂気の真似をし通したお高の根気《こんき》、役者も下座も粒....
式部小路」より 著者:泉鏡花
ませない。 日本一のお嬢さんを妾にするたあ何事だ、妾は癪だ、恩人も糸瓜もねえ、弱り目につけ込んで、すけべいの恩を売る奴は、さし込み以上の疫病神だと、怒鳴るでが....