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弱る
「弱る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弱るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
いた。けれども僕の心もちは少しも陽気にはならなかった。僕は仕事をすませる度に妙に
弱るのを常としていた。それは房後の疲労のようにどうすることも出来ないものだった。....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
び喚《わめ》かんとしたりしかば、白糸は触《あた》るを幸いめった斫《ぎ》りにして、
弱るところを乳の下深く突き込みぬ。これ実に最後の一撃なりけるなり。白糸は生まれて....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
てずれ》、つい汚れがちにもなりやしょうで、見せぬと言えば喧嘩《けんか》になる……
弱るの何んの。そこで先ず、貸したように、預けたように、余所《よそ》の蔵に秘《しま....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
と、蒲団に団欒を試みるのだから堪らない。ぼとぼとと、あとが、ふんだらけ。これには
弱る。そこで工夫をして、他所から頂戴して貯えている豹の皮を釣って置く。と枇杷の宿....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を破れた寝ン寝子の襟に擦って、 「埒明かんで、久しい風邪でな、稼業は出来ず、段々
弱るばっかりじゃ。芭蕉の葉を煎じて飲むと、熱が除れると云うので、」 と肩を怒ら....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
度ずつ水涸れがあって、池の水が干ようとする。鯉も鮒も、一処へ固まって、泡を立てて
弱るので、台所の大桶へ汲み込んだ井戸の水を、はるばるとこの洗面所へ送って、橋がか....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
うかも知れない。火星人らもまた、第四斥候隊の行動は知らぬ筈なのだ。 火星人
弱る 第五斥候隊の報告は、まだ続いていた。 “かくして火星人らが狼狽なすところ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
には出ませぬ。 一言も交わさずに、ただ御顔を見たばかりでさえ、最愛しさに覚悟も
弱る。私は夫のござんす身体。他の妻でありながらも、母さんをお慕い遊ばす、そのお心....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
を掉って、 「かえって賑かで大きに可い。悪く寂寞して、また唐突に按摩に出られては
弱るからな。」 「へい、按摩がな。」と何か知らず、女中も読めぬ顔して聞返す。 ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
せたに違いない。 何、夏なら、炎天なら何とする?……と。そういう皮肉な読者には
弱る、が、言わねば卑怯らしい、裸体になります、しからずんば、辻町が裸体にされよう....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
の強がりが、よく賭博なんぞして、わざとここまで来たもんだからね。梟は仔細ないが、
弱るのはこの額堂にゃ、古から評判の、鬼、」 「ええ、」 とまた擦寄った。謙造は....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ね、買わずと可いから、そのまま店を出ようと思うと、またそう行かなくなりましたわ。
弱るじゃありませんか、婆さんがね、けだるそうに腰を伸ばして、耳を、私の顔の傍へ横....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ざいます。」 「厭だって仕方がない、何も情人が出来たのに御祝儀をいわれるたッて、
弱ることはないじゃあないか。ふん、結構なことさね、ふん、」 と呼吸がはずむ。 ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
酒を黒くして、もじつくと、山の井さんが大笑いして、 (いけますまいな。いや、私も
弱る。大辟易だが、勝山さんは、白酒でなくッては、一生お酌は断ちものだそうだ。) ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
、この腹の病気がまたしても昂じている。そのため絶えず下痢に苦しめられて極度に体が
弱る。フランクは彼の強壮剤で僕を力づけようとして僕の耳疾には扁桃油を用いてみた。....