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弱弱
「弱弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弱弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
て有名であった或る銀行員が、その若い細君とふたりきりで住まっていた。銀行員は気の
弱弱しげな男で、酒ものまず、煙草ものまず、どうやら女好きであった。それがもとで、....
「葉」より 著者:太宰治
ちかくでございましたでしょう。秋風がさらさらと雨戸を撫でて、軒の風鈴がその度毎に
弱弱しく鳴って居りましたのも幽かに思いだすことができるのでございます。ええ、幽霊....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
か虫の音は絶えた。先日、私はそれと気がつき、軽い感懐を催していた時、不意に、また
弱弱しい虫の音が聞こえて来たものである。が、今日はいつまで耳を※《そばだ》ててい....
「澪標」より 著者:外村繁
げたという。それでも私はどうにか肥立って行ったらしいが、色の白い、女の子のような
弱弱しい子であったといわれる。しかしその頃の記憶は全くない。 私が数え年の四つ....
「燃ゆる頬」より 著者:堀辰雄
でいて、その眼は真赤に充血していた。そして口許《くちもと》にはたえず少女のような
弱弱しい微笑をちらつかせていた。私は何とはなしに、今のさっき見たばかりの一匹の蜜....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
うことを見極めると、五本の白い蛇のように宙に這うていた指は、その銅貨の上にそっと
弱弱しく寧ろだらりと置かれた。と同時にその手はいきなり引かれて、観音の内陣の明る....