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「弱輩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弱輩の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
阿部一族」より 著者:森鴎外
足を戴いた。 「いかんいかん」顔をそむけたままで言った。 列座の者の中から、「弱輩の身をもって推参じゃ、控えたらよかろう」と言ったものがある。長十郎は当年十七....
坑夫」より 著者:夏目漱石
》わしたり、片方《かたっぽ》づかないように心を自由に活動させなくってはいけない。弱輩《じゃくはい》な自分にはこの機合《きあい》がまだ呑《の》み込めなかったもんだ....
行人」より 著者:夏目漱石
ち》のものが困りますから」 Hさんは黙って煙草《たばこ》を吹かし出した。自分は弱輩《じゃくはい》の癖に多少云い過ぎた事に気がついた。手持無沙汰《てもちぶさた》....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
右御誤解なきよう願上候。呉々も小生居所についての御詮議は御無用に願度、卿等の如き弱輩の徒には到底尋ね出ださる余に非ず、必ず当方より名乗って出ずべきにより、無用の....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
たりすわったりしていた。珍客を遇する礼として当然のことと思われた。自分らのような弱輩のものがこの碩学に近づいて何か話でもしようと思うと、その護衛のかたがたの中に....
十二支考」より 著者:南方熊楠
き馴れた人は何事を知らせ居ると判るよう覚ゆ。けだしその本隊は牝猴と事馴れぬ牡と少弱輩より成り、母は児を背負う、先達猴の威容堂々と進むに打って変り、本隊の猴ども不....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
描いてもらいましょうと、楢屋の主人は早速|白羽二重を取寄せて頼んだ。椿岳は常から弱輩のくせに通人顔する楢屋が気に入らなかった乎、あるいは羽織の胴裏というのが癪に....
三国志」より 著者:吉川英治
魏の直命を奉じて、汝を征伐に来た者である。汝、わが威を恐れてか、卑劣にも、養子の弱輩を出して、部下の非難をのがれんとするも、天道|豈この期になって、兇乱の罪をゆ....