弱音器[語句情報] » 弱音器

「弱音器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弱音器の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
らに陶酔のみはしていなかった。と云うのは、楽曲の最後の部分になると、二つの提琴が弱音器を附けたのに気がついたことであって、それがために、低音の絃のみが高く圧した....
狭い一側面」より 著者:宮本百合子
考えて見るのに、私は、瀧田氏の極小部分しか知らない。而も、その小部分によほど、弱音器がかけられていると思う。大人は子供に水を割った葡萄酒を飲ませる。――そんな....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
べきで、美や輝はその最高の状態においてのみ望むべきであると思う。ソフト・トーン(弱音器)をかけての演奏では本音が出ない。 私は、ユリ子についての話をはじめ、研....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
への返事をかく次第です。 例によって私の事務的処理の鈍さについて。こちら独自の弱音器をかけぬようにとのことは、十分気をつけます。わかりましたと、只ここにいくら....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
によって隣人らの邪魔となる恐れは、少しもなかった。彼らは作曲する時、自分の楽想に弱音器をはめ、また外界の音響が伝わって来るのを、帷幕《とばり》によって防いでいた....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
はひけなかった。一人きりのときでさえ、階段から聞く人があることを知ってる今では、弱音器をかけることにしていた。しかしクリストフは夫妻のために演奏してやった。そし....