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「張合い抜け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

張合い抜けの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
言おうとも必ず気にかけてくれるなと繰り返して言った。こうなると、栄之丞はいよいよ張合い抜けがした。 「妹もなにぶん不束者《ふつつかもの》でございますから、この末....
芝居狂冒険」より 著者:夢野久作
細くして云った。 「……よしよし……わかったわかった……安心して帰れ」 万平は張合い抜けがしたように、三人の警官を、見まわした。シオシオと頸低れて出て行った。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ころが、驚かされて出て見た人も、ただそれだけのもので、存外小さな事件と見たから、張合い抜けがしたような思いで、そのあとを見送ってポカンとしているくらいだから、兵....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
決して痛くございません」 いい気になって、いくつでもたたかせているから、お絹も張合い抜けがして、こんな安っぽい頭を、いくつたたいてもたたきばえがしないと見切り....
離魂病」より 著者:岡本綺堂
「そうですかねえ。」 妹はやはり気乗りのしないような返事をしているので、西岡も張合い抜けがして黙ってしまったが、その眼はいつまでもかの娘のうしろ姿を追っている....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
ひそかに身構えをしたが、それが相手にはちっとも感じないらしいので、重兵衛もすこし張合い抜けがした。えてものの疑いもだんだんに薄れて来て、彼はやはり普通の旅人であ....
妖婆」より 著者:岡本綺堂
この席でもやはり、三人の噂をしているうちに、雪の夜はおいおいに更けた。余一郎らは張合い抜けのしたような顔をして引揚げて来て、屋敷から横町までの間には何物もみえな....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
播磨は陰らない声で高く笑った。あまり手軽く打消されてしまったので、お菊も少し張合い抜けがしたように、泣き腫らした眼をしばたたきながら相手をそっと見あげると、....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
遊びに来給え」 「そうか。ではいずれ引越したらお知らせする」 斯う云って、彼は張合い抜けのした気持で警官と別れて、それから細民窟附近を二三時間も歩き廻った。そ....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
」 「よい、よい。いつまでもまいられい。」 相手は平気で澄ましているので、侍も張合い抜けがしたらしく、そのまま鞍の上にひらりと跨ってひと鞭あてて真っ直ぐに芒原....
とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
のほか ――全くさ、幇間と来たら、こりゃ論外でさ」 と、超然とする。国太郎は張合い抜けがして魯八のしょげた男をいたわってやらなくちゃならない気に急き立てられ....