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強まる
「強まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
強まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夢」より 著者:芥川竜之介
に打ち解けなかった。いや、むしろわたし自身には彼女の威圧を受けている感じの次第に
強まるばかりだった。彼女は休憩《きゅうけい》時間にもシュミイズ一枚着たことはなか....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ぞくするほど下っていた。簑《みの》を出して手早く着たけれども、鳥肌だつ冷気は一層
強まるばかりであった。間もなく四辺は、篠《しの》つくような雨に煙っていた。
大....
「旅愁」より 著者:横光利一
強いて久慈と争うつもりももう矢代にはなかったが、千鶴子とアンリエットとの次第に
強まる無言の敵意を感じると、むしろ、今は男同士の争いをつづける方が愉快に食事の場....
「ジイドとそのソヴェト旅行記」より 著者:宮本百合子
たいする讚歎の情があればこそ、ソヴェトが彼に希望することを許したものがあればこそ
強まる彼の批評精神によって「ソヴェトによって実現された事業は十中の八九まで実に称....
「プロレタリア文学における国際的主題について」より 著者:宮本百合子
の更に数段成功的な作品が現れる可能が十分ある。 内国的主題において国際的要素が
強まるばかりではない。国際的主題そのものの発展が、プロレタリア文学の領域における....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
衆は大して考慮に値いしない)との結びつき方に較べて、より強力であり且つ又いよいよ
強まる他はない。そうすると労協が社大党の外部から社大党の大衆を獲得することは、単....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
して見ての話だ)。進歩的勢力が政治上の形態として弱まった時、夫が文化形態を取って
強まるということは、よく云われる通りだ。哲学や文学への関心が高揚しつつある傾向は....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
…それじゃあ、ほんとに御病気かなあ。」 そこで、話はとぎれた。戸外の暴風雨は、
強まるとも衰えるとも分らず、ごうごうと荒れている。父も母も女中も、どこで何をして....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
いていった。しかし彼が年老いても、彼を怖れる四隣の恐怖は去らないばかりか、むしろ
強まるばかりであった。彼の腹の底も知れないし、彼の強さも底が知れなかった。いつに....
「握った手」より 著者:坂口安吾
夫の方であった。拾われるのも、これが最後であろう。どうしても綾子を放せない気持が
強まるばかりであったが、その気持を強く押しつける勇気は衰える一方だ。自分の中にい....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
が強ければ強いほど、要求も強くなりましょう。……そうしてお前様の要求が、強まれば
強まるほど、関白様は喜ばれますので。……お前様は飛び付いて行きましょう。関白様は....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
て、地上に天国を建設しようと考えたのではありますまいか。私はこの頃出家のねがいの
強まるとともに、どうしてもパンの問題に触れます。愛に徹すれば出家せねばならぬ。出....
「審判」より 著者:カフカフランツ
ていた。その反面、ほかの点での健康状態はいっそうよくなり、老齢のさまざまな不快は
強まるどころか少なくなり、少なくともこぼすようなことはいっそう少なくなった。従兄....
「埋もれた日本」より 著者:和辻哲郎
べからずという一項がある。敵をののしることによって敵を憤激させれば、それだけ敵が
強まることになって損である、という利害打算もあるいは含まれているのかもしれぬが、....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
れ目に立っているのであります。しかし最近、日本においては平和と革新の力が強まれば
強まるほど、岸内閣は資本家階級と一体となってこれに対抗して必死の努力をかまえてき....