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強弩
「強弩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
強弩の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
主人の大事件を写したので、そんな人の大事件を記《しる》したのではない。尻が切れて
強弩《きょうど》の末勢《ばっせい》だなどと悪口するものがあるなら、これが主人の特....
「死生」より 著者:幸徳秋水
気・精力を要するの事業に至っては、此の「働き盛り」を過ぎては殆どダメで、如何なる
強弩も其末魯縞を穿ち得ず、壮時の麒麟も老いては大抵驢馬となって了うのである。 ....
「李陵」より 著者:中島敦
に騎六万歩七万の大軍を授《さず》けて朔方《さくほう》を出でしめ、歩卒一万を率いた
強弩都尉《きょうどとい》路博徳《ろはくとく》にこれを援《たす》けしめた。ひいて因....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
人間同士はあたりまえの挨拶をしたけれども、犬は人間の間に立ち塞《ふさ》がって、
強弩《きょうど》の勢いを張っておりました。 「たいへん強そうな犬でございますねえ....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
力を要する事業にいたっては、この「働きざかり」をすぎてはほとんどダメで、いかなる
強弩(強力な石矢)もその末は魯縞(うすい布)をうがちえず、壮時の麒麟も、老いては....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
で曲亭の作と同日に語るべきものではない。『八犬伝』もまた末尾に近づくにしたがって
強弩の末|魯縞を穿つあたわざる憾みが些かないではないが、二十八年間の長きにわたっ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
甚だ残念に思う。ここらが明治以後における歌舞伎劇の最高潮に達した時代で、その後は
強弩の末である。このときには常磐津の林中もまたその名音で満場の観客を陶酔させた。....
「三国志」より 著者:吉川英治
は、当陽の合戦に、あせり立つこと甚だしく、一日三百里を疾駆したと聞く。これまさに
強弩の末勢。――加うるにその水軍は、北国そだちの水上不熟練の勢が大部分です。ひと....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
の下から弧を描いて、三名引山、滝倉岳(陸測五万、駒ヶ岳)、僧ヶ岳と、低いながらも
強弩の余勢は流石に筋張った処がある。殊に三名引山のあたりは峰頭が幾多の岩骨を剥き....