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「強弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

強弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
、思いもよらない若い女がたった一人|佇《たたず》んでいた。 雨脚《あまあし》の強弱はともかくも、女は雨止《あまや》みを待つもののごとく、静に薄暗い空を仰いでい....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
あろう。弱者は又道徳に愛撫《あいぶ》されるであろう。道徳の迫害を受けるものは常に強弱の中間者である。 * 道徳は常に古着である。 * 良心は....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
ているとこうであった。男の児が手を引っ張る力加滅に変化がつく。女の子の方ではその強弱をおっかなびっくりに期待するのがおもしろいのらしかった。 強く引くのかと思....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
王たらんとし、我がいっさいの能力を我みずから使用せんとする慾望である。人によりて強弱あり、大小はあるが、この慾望の最も熾《さか》んな者はすなわち天才である。天才....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
には、波の腹に乗っても波の背に乗っても、舳は依然として下に向いたままである。風の強弱に応じて帆を上げ下げする様子もない。いつまでも目の前に見えながら、四十五度く....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
已むなき内的の力に動かされて外界に働きかける。かかる変化はただ私の生命の緊張度の強弱によって結果される。これは智的活動、情的活動、意志的活動というように、生命を....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
亘るこの種の観測資料を収集した。カルデアの僧侶たちは毎夜の星辰の位置とその光輝の強弱を粘土版に記銘し、またこれらの星の出没並びに最も高くなるときの時刻をも合わせ....
母と娘」より 著者:岡本かの子
て毎朝六時から八時頃まで色々の楽器――ピアノ、タンバリン、ヴァイオリンなどの音の強弱に合せて色々の体操をするのです。学生は大抵自転車で此の学校に駈けつけます。私....
画室談義」より 著者:上村松園
います。畳数は十四あります。 明り障子とガラス障子の二枚戸にしたのは陽光の明暗強弱を適度に調節するためで、それらの三方の外には一尺幅ほどの小さい外廊が廻らして....
妖怪学」より 著者:井上円了
その回転もまた弱く、その力強きときは回転もまた強きの異同あるをもって、その回転の強弱は信仰心の厚薄によるものなり。信仰心なきものは一方に意を注ぐことなきのみなら....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
その運動もまた弱く、その力強きときはその運動もまた強きの関係あるをもって、回転の強弱は信仰心の厚薄に伴うゆえんを知るべし。これに反して、信仰心なき者は心の全力を....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
士を送る町の声々が病少女の凍って行く胸に響いた。すぐ近くのものと川向うらしいのと強弱のペーソスが混った。 政枝の薄板のようになった下腹に、ひとりでに少し力が入....
ある日の午後」より 著者:小川未明
をさして置くのは畢竟貧しいが為ではなかろうか。人は境遇によって自然と奮闘する力の強弱がある。此児は果して生を保ち得ようか? ある静かな日の午後である。此家から老....
『火星兵団』の作者の言葉」より 著者:海野十三
してしまうまでは、やめにならないでしょう。そして勝敗いずれかの鍵は、民族的精神の強弱と、そしてもう一つは、科学力の強弱にかけられていると申してもよろしいのです。....
黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
えても、必ずしもそうではない。問題はむしろ、主として私たち自らの理論・分析の力の強弱に係っているのである。 (一九四七年五月三日稿同年「別冊文芸春秋」一〇月号)....