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強靭
「強靭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
強靭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
取り出されて、現在は屍蝋室の硝子盤の中に貯蔵されているのですがなかには膜が、相当
強靭なものもあるのですよ」 「なるほど」 と法水も頷いたが、 「全く腹腔内の異....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
い。うそかまことかこのように大それた噂が、枝に葉をつけておいおいに船乗り達の頭へ
強靭な根を下ろしはじめた矢先き、それはちょうど一月ほど前の濃霧の夜、またしても汐....
「ねずみと猫」より 著者:寺田寅彦
て命がけのような勢いで飛びかかって来る。猫にとってはおそらく不可思議に柔らかくて
強靭な蚊帳の抵抗に全身を投げかける。蚊帳のすそは引きずられながらに袋になって猫の....
「東京要塞」より 著者:海野十三
でも、その上に僅かのアスファルトを流しこめばいいのだ。それにも拘らず、普通以上の
強靭さを漆喰で持たせようというには、何か訳がなければならぬ。この平々坦々たる床の....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
邪教はいけないが)、このスタンダードに照して評価される。之は現下の、日本の意外に
強靭な、高級大常識なのである。このスタンダードは、高い文化水準を意味している。だ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ものがあった。 が、彼女の精神は、印度護謨で出来ているに相違なかった。それ程の
強靭性を実証する言行に、次ぎの瞬間の彼女は、大飛躍していたのだ。 ルセアニア人....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
、南原杉子と仁科六郎の恋愛を認めていたからなのだ。そして、夫婦のつながりが、案外
強靭でゆるがないものであることを、南原杉子にみせつけたかったのだ。彼女は、仁科夫....
「答案落第」より 著者:太宰治
ったい実になるものかどうか。私は実になる話だと思っているが。 ヴァニティ。この
強靭をあなどってはいけない。虚栄は、どこにでもいる。僧房の中にもいる。牢獄の中に....
「不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
のとツナガルところはない筈であるのに、つまり、彼らは、舞台の上のM・Cになりきる
強靭さが欠けていて、その弱さを現世的におぎなうようになったのだろうと私は思う。 ....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
性の弱くなったきらいがなく(現象学派には多少この傾きがなくもない)意志の自律性を
強靭に固守する点で形式的主観的でありながら、人間行為の客観的妥当性を強調して、主....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
の伊東に流した。これが彼の第二の法難であった。 この配流は日蓮の信仰を内面的に
強靭にした。彼はあわただしい法戦の間に、昼夜唱題し得る閑暇を得たことを喜び、行住....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
って柔軟で忍耐づよかった。彼は形も心もくまやなぎのようだった。屈するかと見えても
強靭であり、曲っても決して折れず、ほんの軽い圧力でも頭を下げるが、それがなくなっ....
「広告」より 著者:伊丹万作
彼は早くから文芸方面の素質を示し、いかなる場合にも真摯な研究態度と柔軟にして
強靭なる生活意欲(芸術家としての)を失わなかつたから、いつか大成するだろうと楽し....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
て、彼の頭脳のどの部分かに密かに爬行し、絶対に消ゆることがない。そして、もっとも
強靭な神経の所有者に対しても時を得ればその場面、場面が単独に、または、その一連の....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
得べし。 二 しかして両者いずれによるべきやは、将帥及び軍隊の特性と当時の武力の
強靭性いかんによる。 ギリシャのファランクスは前者に便にして、ローマのレギヨ....