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弾み
「弾み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弾みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
るいの格闘をつづけ、机をひっくりかえし、書類箱を押したおしているうちに、どうした
弾みか、ピストルが星宮理学士の手許をはなれ、ガチャンと音をたてて、向うの壁に叩き....
「遊星植民説」より 著者:海野十三
つ、数えてみよう。まずお月様を征服することじゃ」 「まア!」 「ロケットという砲
弾みたいな形の、箆棒に速い航空機に、テレヴィジョン送影装置を積んで月の周囲を盛ん....
「蠅男」より 著者:海野十三
廻転した。下は百メートルほどの山峡だった。何条もってたまるべき、横転した自動車は
弾みをくらって、毬のようにポンポン
弾みながら、土煙と共に転げ落ちていった。そして....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
たくしは思う、これは商売女のいろ気ではない。雛妓はわたくしに会ってから、ふとした
弾みで女の歎きを覚え、生の憂愁を味い出したのではあるまいか。女は憂いを持つことに....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
次には、車輪をつけるといいだすだろう」 「いや、少佐どの。この次には、岡部は、砲
弾みたいに、火薬の力でこの地下戦車を斜面へうちこんでくれなどといい出すのじゃあり....
「火星兵団」より 著者:海野十三
るものがあって、それが、骨まで焼いてしまったのじゃありませんかね。たとえば、焼夷
弾みたいなものが、自動車に積んであったと考えてはどうです」
「それもおもしろい考....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
を山の上から落したときのように、天井と床とが、互いちがいに下になり上になりして、
弾みながら、落下していくのが、二人にも、やっとわかった。 (どうなるのであろう?....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
えぎっている塀は、そう高くはない。 「よし来た」 彼は咄嗟に、つつーっと走って
弾みをつけると、機械体操の要領で、えいと叫んで塀にとびついた。 下は海――かと....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
、――」 と危く身を避け、慌てて強引に大刀を横に払ったが、惜しや空を切り、その
弾みで身体の中心を失った。 「し、失敗った。」と叫んだ途端に、横腹に灼けつくよう....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
光を浴びながら、梅田十八と抱き合っているうちに、急に梅田の身体が消えてしまって、
弾みをくって瞠とベンチの上に長くなって仆れる。そのとき彼女の身体の下から、二十日....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
る娘の子を生んで居たのであった。其の子は恋愛というほどでもなく、ただちょっとした
弾みから彼女の父の建築場の職工の間に出来て仕舞った。だから生むと直ぐその子をロア....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
《かささぎ》が下りて来ると、彼等は身を僂《ちぢ》めて後脚《あとあし》で地上に強く
弾みを掛け、ポンと一つ跳ね上る有様は、さながら一団の雪が舞い上ったようで、烏や鵲....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
ーンは何か鬱積した心中を晴らしたい気持から、両手を腰に置いて、脚を少し折り曲げ、
弾みのつく腰付きで、ワルトンの前方へ進んだり、遠ざかったり、左右へ跳び歩るく。彼....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
は一つの極楽浄土とわしが言ったは、ありゃほんの口のはずみじゃ』 おくみ『いえいえ
弾みではございません。それに先程から折々何ぞ思い詰めて居るらしいこなたのかくし溜....
「錦紗」より 著者:犬田卯
た小遣銭をかせぎため、そして自分を待っているあの錦紗を買いに……と思うともう胸が
弾み出していた。....