弾む[語句情報] »
弾む
「弾む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弾むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
て直感すると、 「今夜こそこの女をどこかへ連れて行って……」 という想いに心も
弾むのだった。 ついて来ればあとは自信はあるが、果してついて来るかどうか。いや....
「河明り」より 著者:岡本かの子
と私は娘に対する私の心理の働き方がだんだん複雑になるのを感じた。私はいくらか胸が
弾むようなのを紛らすために、庭の天井を見上げた。硝子は湯気で曇っているが、飛白目....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
りをして、竹内写真館の入口のドアを押して中へ這入った。流石に異様な緊張の為に息が
弾むのだった。 這入ると直ぐ突当りに幅の広い階段があって、「お写しの方は直ぐに....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
みある作品を提供することが出来るが、文学評論になるともうそう甘くは行かぬ。文章が
弾む時は筆者と筆者の観念の方も亦弾みで動いている時だ。之はあぶなかしくて見てはい....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
態度がけしからんと云って、一青年の頬桁《ほおげた》を張り飛ばした教官は、何かまだ
弾む気持を持てあましているようであった。そこへ恰度《ちょうど》、ひどく垢《あか》....
「美しき月夜」より 著者:宮本百合子
である。わざと木影に隠れて、我れともなく恍惚とした父親を真先に見つけた子供達が、
弾む小毬《こまり》のように頸や胸元に跳びつく頃は、微風に連れて雲のように膨れたり....
「ソヴェト同盟の三月八日」より 著者:宮本百合子
これもまた何かアッと云わせる趣向最中らしい室だ。 体育室からは、フットボールの
弾む音がする。 あまりいきなり廊下の頭の上でジリリリッ! と開会を知らせるベル....
「石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
バクー名所の一つである九世紀頃のアラビア人の防壁を見物して、磨滅した荒い石段々を
弾む足どりでイラ草の茎を片手にもって降りて来たら、わきの共同便所の前から十一二歳....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
半尾ぐらいはありそうなものじゃ。とにかく金に糸目はつけん。君にもしっかりチップを
弾むよ」 「さあ、弱りましたな。ちょっとお待ち下さい、……ところで金博士。一体、....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
ざいます。 消極の極で暮して来た、否暮させられて来た、日本婦人に対して、生きて
弾む生命を持って居るこちらの婦人の価値は、種々な形成に於て或時は余りに過重され、....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
の男客、女客の姿態は珈琲の匂いと軽い酒の匂いに捩れ合って、多少醗酵しかけている。
弾む話。―― 「巴里の消防署長が、火事のときに消防夫に給与する白葡萄酒を今度から....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
て、ここじゃわるいし。応接室へ、煽風器をかけて、冷たいものを差し上げて……」自ら
弾む口調で、命じると、浴衣ではわるいと思い、さっき脱いだ黒い上布に着かえ、応接室....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
……………… ワルトンも向き合って踊り出した、二人は仲々調子よく踊った。調子の
弾む程余計にアイリスは我慢がならなかった。自分の即興を逆にこすられて、彼女はじっ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
「ははははは、そのことよ。気長に待ちねえ。じゃ、行って来るぜ。」 踊るように
弾む若いからだが、石場を通り抜けて、一つ目橋の袂から、往来へ出て行った。 おこ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
。妻君は桃いろのスカートで、歩くときには、その健康そうな円いお腰がくるりくるりと
弾む。これも誰かが手真似をしては怪しからぬ笑い声を立てた。顴骨が高くて、さほど美....