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弾痕
「弾痕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弾痕の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猫の踊」より 著者:田中貢太郎
いで床下を調べて見ると、彼の赤毛の飼猫が血に染まって死んでいた。その胸のあたりに
弾痕があった。 柴田家ではその猫に迷信を持って小さな祠を建てて祭った。 柴田....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
と毒瓦斯弾とで一気に、帝都を撲滅するつもりだったらしいですな。爆弾は、割に尠い。
弾痕と被害程度とを比較して、判ります」塩原参謀は、指先で、コツコツと窓硝子をつつ....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
ピストルだと思っているが……」 「とにかく、遥か後方から放ったのだ。見給え、この
弾痕を。弾丸は撃ちこんだ儘で、外へは抜けていない。背後近くで撃てば、こんな柔かい....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
生が来た。社会主義神髄を返えし、大英遊記を借りて往った。林の中で拾ったと云って、
弾痕ある鶇を一|羽持て来た。食う気になれぬので、楓の下に埋葬。
銃猟は面白いも....
「暴風雨に終わった一日」より 著者:松本泰
朝、検視の折、武太郎の無残に切断された右|大腿部《だいたいぶ》の内側に銃砲による
弾痕《だんこん》を密《ひそ》かに発見して、急に口を噤《つぐ》んでしまったことを思....
「道標」より 著者:宮本百合子
ているところがあった。それはメーデーに労働者の子供までを傷《きずつ》けた警官隊の
弾痕のめじるしであった。
おととしモスク※の赤い広場の、外国人のための観覧席で....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
付かないが自動車の幌のまん中に、かなりの近距離から発射したらしいピストルの新しい
弾痕がある。これは樫尾がモーターボートを芝浦へ廻す手配を感付いたJ・I・Cの人間....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
に間に合うぞ」 古堀老人は、急にえびす顔になって、洗面器のある場所から離れた。
弾痕なし 裁判医が退場すると、現場は急にしいんと静かになった。そして真中の安楽....
「火薬船」より 著者:海野十三
。 「それをこんなことにつかうのは、感心しないぞ」とポーニンは、くびをふった。「
弾痕や弾丸から、われわれが何処の国籍の人間か、すぐ判断されてしまう」 「じゃ、彼....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いた》の下に立てかけた小銃を取って先に立つと、白雲はピストルを持ちながら、的板の
弾痕を調べて見ると、いずれも一寸の厚みある板を、無雑作にうちぬいていました。 ....
「暗号舞踏人の謎」より 著者:ドイルアーサー・コナン
れからその者を撃った弾丸のどれかは窓縁に当ったに相違ない。私は見渡したら果して、
弾痕があった!」 「しかしそうしたとしたら、窓が閉められて、しかも内側からしっか....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
海に四日ほどいた。その間に軍の慰問をした。病院にも、鉄砲の玉があたっていて今だに
弾痕が残っていて、激戦の日がおもわれるのであった。病院には傷病兵が沢山おられた。....
「上海」より 著者:横光利一
派は一層激しく暴れ出した。彼らは工部局の死体検視所から死体を受けとると、四ヶ所の
弾痕がことごとく日本人の発砲した
弾痕だと主張し始めた。総工会幹部と罷業工人三百人....