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当に
「当に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
当にの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ならぬ。自分の生涯は幸福であり、また自分の希望通りであった。それゆえ、協会へも相
当に御礼をなし、科学にも相当の効果を収めようと心がけておりました。が、初めの中は....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
それが終りだ。 六月二十六日―― 殺すということがなぜ犯罪になるのだろう。本
当に、なぜだろう。それは自然の法則であって、すべてのものは、殺すことを仕事として....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
んで見られているような気がしたからだ。こんな慌しい書き方をした文章でも、江口を正
当に価値づける一助になれば、望外の仕合せだと思っている。....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
とです。
半之丞は誰に聞いて見ても、極《ごく》人の好《い》い男だった上に腕も相
当にあったと言うことです。けれども半之丞に関する話はどれも多少|可笑《おか》しい....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《つきじ》居留地の図――ですか。図どりが中々巧妙じゃありませんか。その上明暗も相
当に面白く出来ているようです。」
子爵は小声でこう云いながら、細い杖の銀の握り....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
が、妻はまだ娶《めと》っていない。家は門地《もんち》も正しいし、親譲りの資産も相
当にある。詩酒の風流を恣《ほしいまま》にするには、こんな都合《つごう》の好《い》....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
範学校を首席で卒業致しましたのと、その後《のち》また引き続いて校長などの信用も相
当にございましたのとで、年輩にしては高級な十五円と云う月俸を頂戴致して居りました....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
かると云う事です。そうでしょう。だから一見|当《あて》になりそうで、実ははなはだ
当にならない。ウオルタア・ラレエが一旦起した世界史の稿を廃した話なぞは、よくこの....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
も奉公をやめて、夫と一しょになった事は元より云うまでもありますまい。
「支店は相
当に繁昌《はんじょう》しました。その上また年が変ると、今度も丈夫そうな男の子が、....
「父」より 著者:芥川竜之介
は、一人もそれを知っている者がない。だから皆、能勢の口から、この滑稽な人物を、適
当に形容する語《ことば》を聞こうとして、聞いた後の笑いを用意しながら、面白そうに....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
い。自分は云う、あらゆる芸術の作品は、その製作の場所と時代とを知って、始めて、正
当に愛し、かつ、理解し得られるのである。……
僕は、金色《こんじき》の背景の前....
「母」より 著者:芥川竜之介
いる。
「蕪湖《ウウフウ》もそんなに悪い所じゃないぜ。第一社宅は大きいし、庭も相
当に広いしするから、草花なぞ作るには持って来いだ。何でも元は雍家花園《ようかかえ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
ざいません。が、私は、賢明なる閣下が、必ず私たち夫妻のために、閣下の権能を最も適
当に行使せられる事を確信して居ります。どうか昭代《しょうだい》をして、不祥の名を....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
、一かどの分限者《ぶげんしゃ》には違いありません。わたしは何もこの家《うち》を目
当に、うろついていたのではないのですが、ちょうどそこへ来合わせたのを幸い、一稼《....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
が早いか、いきなり相手を組み伏せました。男も太刀を佩《は》いているだけに、力は相
当にあったようですが、不意を打たれてはたまりません。たちまち一本の杉の根がたへ、....