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「当りめ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

当りめの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
その話は聞いたが、なんと云っても伊豆屋の縄張り内だから、先《せん》を越されるのは当りめえだ」と、云いかけて半七は少しかんがえていた。「だが、実はまだおれの腑に落....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
すった女ってなあ、この江戸のものでがしょうな。」 佐吉がくすぐったそうに、 「当りめえよ。それがどうしたと言うんだ。」 「いえねえ、どこの娘――むすめだか女房....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
云うはな実に有り難い事ではないか、何とも申そう様はございません、コレお國、この罰当りめえ、お母様が此の家へ嫁にいらッしゃった時は、手前がな十一の時だが、意地がわ....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
界の虚栄に憧憬れて多四郎めと駈け落ちした」 これが岩太郎の返辞であった。 「罰当りめ!」 と、人々は、それを聞くとまず云った。 「この結構な住居を捨て、先祖....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
恥かしくて外へは出られないので、私は憂鬱に陥るのであった。 すると父は「この罰当りめが」と叱りつけた。母は「せっかくこしらえてやったのに、よその子を見て見なは....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
りも全身が軽く爽やかになって、ふらふらと今にも飛び出しそうに見えた。 「阿Qの罰当りめ。お前の世継ぎは断えてしまうぞ」遠くの方で尼の泣声がきこえた。 「ハハハ」....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
から、とたのんだが、役人が天鬼の言葉だと伝えたものは、 「とんでもない。あのバチ当りめが。長の山は今ではウチの山ではないと云ってきかせても、そう云ってオレをだま....
この握りめし」より 著者:岸田国士
とにし、 「そんな、無理言つても困るよ。職業を撰ぶ自由は誰にでもあるからな」 「当りめえよ。だからさ、どんな量見でお巡りなんぞになつたんだ、と訊いてるんだ」 「....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
てっきり、おみ足がずぶ濡れになったせいだろうな」と、若い男囚がまぜっ返した。 「当りめえよ、歴乎とした商家のお生まれでいらせられる。おんば日傘でお育ちあそばした....
樹氷」より 著者:三好十郎
や。 お仙 金太め、すぐそったらことを言う。おらよりおばさんの方が歌あうめえのは当りめえずら。 敦子 ははは、もうこんなおばあちゃんになっちゃ駄目。もとはね、歌....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たな。だのに孫兵衛、そちは邪悪の権化のように、一生悪事はやめられぬと答えた」 「当りめえだ、死んでゆくお袋に嘘がいえるか」 「それはいい、悪党の率直もいいが」 ....
三国志」より 著者:吉川英治
、張遼は馳けすすんできて、袁紹へ迫ろうとしたが、袁紹のうしろから突として、 「罰当りめ。ひかえろ」 と、叱りながら、河北の勇将|張※がおどり出して、敢然、戟を....
醤油仏」より 著者:吉川英治
で飲んだが鼻血が出ちまってあとの二合が飲めなかった。それを七合も飲みゃあ死ぬのは当りめえだ。第一他のものならいいが醤油を飲ませた行司が物の分らねえ奴だ」 「そう....
野槌の百」より 著者:吉川英治
「なんでわしが叱るものかよ。若いうちは――人間の一生には、いろんなことがあるのが当りめえだによ」 「そうだ、いろんなことがある。――だがおっ母、これから先は……....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
足袋で、茶縞の侍と来た日にゃ、誰だって、脛に傷のあるやつなら、奉行所風と思うのは当りめえだ」 しかし、それはまったく、勘違いだと彼にも分った。治郎吉は、自分の....