当世[語句情報] » 当世

「当世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

当世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
。あればまず寺子屋の師匠でも言いそうな、四書五経の講釈だけでげしょう。だからまた当世のことは、とんと御存じなしさ。それが証拠にゃ、昔のことでなけりゃ、書いたとい....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
――そういう往年の豪傑《ごうけつ》ぶりは、黒い背広《せびろ》に縞のズボンという、当世流行のなりはしていても、どこかにありありと残っている。 「飯沼! 君の囲い者....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
りでいる筈ですから。」 「所がその我国ぶりも、時と場合では当てにならぬ。たとえば当世の上臈《じょうろう》の顔は、唐朝《とうちょう》の御仏《みほとけ》に活写《いき....
星座」より 著者:有島武郎
学校の創立者の名を咒文《じゅもん》のように称《とな》えるのが名誉なことじゃない。当世の学問なるものが畢竟《ひっきょう》何に役立つかを考えてみないのは名誉なことじ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
。…… ところが若夫人、嫁御というのが、福島の商家の娘さんで学校をでた方だが、当世に似合わないおとなしい優しい、ちと内輪すぎますぐらい。もっともこれでなくって....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
てイフヒムに気の無え訳じゃ無えんだが、其処が阿魔だ。矢張り老耄の生れ代りなんだ。当世向きに出来て居やあがる。 そんな訳で話も何も他愛なく纏まっちゃって、己れの....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
袖口の微な紅、腕も端麗なものであった。 「舞、手踊、振、所作のおたしなみは格別、当世西洋の学問をこそ遊ばせ、能楽の間の狂言のお心得あろうとはかつて存ぜぬ。 あ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
水紅色の常夏、と思ったのが、その二色の、花の鉄線かずらを刺繍した、銀座むきの至極当世な持もので、花はきりりとしているが、葉も蔓も弱々しく、中のものも角ばらず、な....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
に、目を上げつつ、 「角海老に似ていましょう、時計台のあった頃の、……ちょっと、当世ビルジングの御前様に対して、こういっては相済まないけども。……熟と天頂の方を....
星女郎」より 著者:泉鏡花
低声に呼んだ――爪はずれ、帯の状、肩の様子、山家の人でないばかりか、髪のかざりの当世さ、鬢の香さえも新しい。 「嬢さん、嬢さん――」 とやや心易げに呼活けなが....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
みになれば判る通り、この女性こそは相州三浦新井城主の嫡男荒次郎義光の奥方として相当世に知られている人なのであります。その頃三浦一|族は小田原の北條氏と確執をつづ....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
る。(この『かたわ娘』は古い従来の風俗を嘲ったもので、それに対抗して万亭応賀は『当世利口女』を書いた。が私には『当世利口女』はつまらなく『かたわ娘』が面白かった....
山吹」より 著者:泉鏡花
でしたがな――さよう……お一方、仕立てた方があったように思いますが、それは、至極当世風の髪も七三で……(と半ば言う。) 夫人 その女が……(やや息忙しく)その女....
三枚続」より 著者:泉鏡花
て庭、向うに折曲って縁側が見えた。 一体いつもこの邸の門前には、馬車か、俥か、当世の玉の輿の着いていないことはない。居廻の者は誰|謂うとなく加茂川の横町を、根....
式部小路」より 著者:泉鏡花
。ついこの間も嬢さんが、深川の浄心寺、御菩提所へ、お墓まいりにおいでなさるのに、当世のがないもんですから、私の繻子張のをお持たせ申して、化けそうだといって、床屋....