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「当世風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

当世風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出の記」より 著者:小泉節子
たが、上等物品を選びました。 うわべの一寸美しいものは大嫌い。流行にも無頓着。当世風は大嫌い。表面の親切らしいのが大嫌いでした。悪い方の眼に『入墨』をするのも....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
、今日その番地の辺をたずねても杉の生垣などは一向に見あたらない。あたりにはすべて当世風の新しい住宅や商店ばかりが建ちつゞいている。町が発展するにしたがって、それ....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
義を、道を学ぶ者として、俗吏の咎め位を恐れて、何と致しましょう」 若者は、その当世風の着物に似ず、しっかりした口調でいった。大作は、微笑して頷いた。そして (....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
を現わしたのは問題の主の多四郎であった。 彼は年の頃二十四、五、都風に髪を結い当世風の扮装をし色白面長の顔をした女好きのする男であったが、眼に何んとなく剣があ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
をそこへ差置くと、その折本をたぐってみました。 見れば、それは源氏の五十余帖を当世風に描いたもので、絵は二代豊国あたりの筆。版も、刷りも、なかなか精巧で、そこ....
颱風雑俎」より 著者:寺田寅彦
あって、それが有力な障壁の役をしたものらしい。これに反して新道沿いに新しく出来た当世風の二階家などで大損害を受けているらしいのがいくつも見られた。松本附近である....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
なるほどとうなずかれるに相違ない。まずこれからの話をお聴きください。 ある日、当世風の人たちがこの並木通りを散歩する時刻に、私は例によってこの廃宅の前に立って....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
を刺激し、隠れたる野蛮性を満足させるようなものが、見られるのであった。美しい女や当世風の才士などからなる観客――裁判所の息苦しい室の中に午後じゅうはいり込んで、....
出家物語」より 著者:坂口安吾
す。あたしゃ、御覧の通りの者なんで、清元と義太夫をちょいとやったゞけの無学文盲、当世風にゃカラつきあいの無い方なんで、先日も若い妓が、エッヘッヘ、ダンスをやりま....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
あったが、先代にはそういうオッチョコチョイの気風があって、商家の内儀に男爵令嬢は当世風、商人もゆくゆくはコンパニーなんぞをやって外国風を用いなくちゃアいけねえな....
こま犬」より 著者:岡本綺堂
ていうほどの容貌ではないが、こちらでは十人並として立派に通用する女で、名はお辰、当世風にいえば辰子で、本来ならばお互いにもう見忘れている時分だが、彼女にはきのう....
山吹」より 著者:泉鏡花
でしたがな――さよう……お一方、仕立てた方があったように思いますが、それは、至極当世風の髪も七三で……(と半ば言う。) 夫人 その女が……(やや息忙しく)その女....
巷の声」より 著者:永井荷風
人風の装をなし手風琴を引きならして薬を売り歩くものがあった。浅井忠の板下を描いた当世風俗五十番歌合というものに、「風ひきめまいの大奇薬、オッチニイ」とその売声《....
日和下駄」より 著者:永井荷風
》の裏へと攀登《よじのぼ》っている。今はこの左右の崖も大方は趣のない積み方をした当世風の石垣となり、竹藪も樹木も伐払《きりはら》われて、全く以前の薄暗い物凄さを....
それから」より 著者:夏目漱石
いる。上にした手にも指輪を穿めている。上のは細い金の枠に比較的大きな真珠を盛った当世風のもので、三年|前《ぜん》結婚の御祝として代助から贈られたものである。 ....