形代[語句情報] » 形代

「形代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

形代の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って四両一分の工面は付きませんから、この因果者を富蔵のところへ持って行って、猫の形代《かたしろ》に受け取って貰おうと存じまして、この児をよそへやる気はないかと訊....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そうにかかえている白木綿の風呂敷包みを取り出して、長左衛門の眼先に置いて、これを形代として金三百両を貸してくれ、利分は望み次第であると云った。いよいよ押借りであ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
いうのを執行するのが年々の例で、長い青竹を胴にしてそれに草の葉を編みつけた大蛇の形代をこしらえ、なんとかいう唄を歌いながら大勢がそれを引摺って行って、近所の大川....
人形の話」より 著者:折口信夫
これは既にいってあるので、深く話すとくり返しになるが、一口にいうと、普通の学者は形代(人間の身体の替りのもの)と考えている。この形式が、いろんなものに分化してい....
対話」より 著者:宮本百合子
不壊な者たちをどうして痛おしまずに居られよう。私には母の本能がある。自分の最初の形代人間が、渾沌から渾沌に亙る雄大な認識と、音楽のように豊かな複雑な感情を持ちな....
南国太平記」より 著者:直木三十五
包を、手早く開けた。そして 「これが?」 二人を見た。 「御長男様を、調伏した形代《かたしろ》と心得ますが――」 三人の眼が光って、一時に、人形へ集まった。....
多神教」より 著者:泉鏡花
もて犇と蔽う乱れたる胸に、岸破と手を差入る)あれ、あれえ。 神職 (発き出したる形代の藁人形に、すくすくと釘の刺りたるを片手に高く、片手に鉄槌を翳すと斉しく、威....
遠野物語」より 著者:柳田国男
拾いに山に入りたるまま帰り来たらず。家の者は死したるならんと思い、女のしたる枕を形代として葬式を執行い、さて二三年を過ぎたり。しかるにその村の者猟をして五葉山の....
山の人生」より 著者:柳田国男
農家の娘、栗を拾いに山に入ったまま還って来ず、親はもう死んだ者とあきらめて、枕を形代に葬送をすませてしまって、また二三年も過ぎてからの事であった。村の猟人の某と....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
らず、棄てた以上はずいぶん粗末にしているから、元はやはり藁人形などと同じに、神の形代として送り出したものである。 雛を水に流すことは塩尻に相州厚木辺で、古雛を....