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形像
「形像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
形像の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
、このきゃしゃな神殿は、私が嬉しくも愛した一人のコリントの乙女《おとめ》の数学的
形像だ。この神殿は彼女独自の釣合を忠実に現わしているのだ{5}」。音楽においても....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
らなければならないような種類の現象であるかもしれない。 そういう科学的な週期的
形像中の最も顕著なもので、従来はなはだ多くの研究の対象となったものは、いわゆるリ....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
的要素で著しく目立ったライトモチーフと思われるものは、並行直線と円による幾何学的
形像の構成、それから直線運動と円運動との律動的な交錯である。 刑務所の仕事場と....
「ニュース映画と新聞記事」より 著者:寺田寅彦
無辺の正確なる認識能力を所有しているのである。試みにたったひとこまの皮膜に写った
形像を精細に言葉で記載しようとしてもおそらく千万言を費やしてもなおすべてを尽くす....
「科学論」より 著者:戸坂潤
於ける例の知識構成を対象界と呼ぶ世間の習慣を、採用することとしよう。こうした像(
形像)としての対象は、科学にとっての「世界」であるので、之はつまり科学的「世界像....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
スクルージもこの頃はもう大分幽霊のお相手に馴れていたとは云え、この押し黙った
形像に対しては脚がぶるぶる顫えたほど恐ろしかった。そして、いざこれから精霊の後に....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
ある。この場合視られるものは物体の表面であるが直観されるものは物体の表面の純粋な
形像であるということとなる。それが即ち空間である(Fichte, Bestimm....
「カントと現代の科学」より 著者:戸坂潤
を合法則的に順序づけられた全体の一部分として云い表わし又理解するこの「全体的世界
形像」のことに外ならぬ。それ故吾々が感覚生理学の事実をとり入れる時カントの空間及....
「解釈学と修辞学」より 著者:三木清
つそれはイデーから借りて来られたのでなくて感性の中から生まれた、しかもイデー的な
形像を作り出すことによってそのことを為すのである。修辞学の論理は根本において構想....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
訳の出来る事らしくは思われない。……吹降ですから、御坊の頭陀袋に、今朝は、赤神の
形像の顕れていなかった事は、無論です。 家並を二町ほど離れて来ると、前に十一二....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
ば、あのいきいきとした豊麗さは一層輝いて見えるであろう。 仏教の経典が仏菩薩の
形像を丹念に描写していることは、人の知る通りである。何人も阿弥陀経を指して教義の....
「法然行伝」より 著者:中里介山
》の刻になると、かねて法然から賜わった弥陀来迎の三尊|化仏菩薩《けぶつぼさつ》の
形像を一軸にした秘蔵の品を掛け、その前へ端座合掌し、高声念仏《こうじょうねんぶつ....