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形勢
「形勢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
形勢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
らに調戯《からか》うような悪問《わるど》いの歩を進めようとした。が、大井は早くも
形勢の非になったのを覚ったと見えて、正門の前から続いている銀杏《いちょう》の並木....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
得ず、どちらか一方が降参するまで雌雄《しゆう》を争わずにはいられなくなった。この
形勢を見た多勢の若者たちは、あの猪首《いくび》の若者がさし上げた岩を投げると同時....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
た。すると泰さんは熱心にその一部始終を聞き終ってから、いつになく眉をひそめて、「
形勢いよいよ非だね。僕はお敏さんが失敗したんじゃないかと思うんだが。」と独り言の....
「片信」より 著者:有島武郎
最も苦しいものだ」といったのだ。
そこで私生児志願者が続々と輩出しそうな今後の
形勢に鑑《かんが》みて、僕のようにとてもろくな私生児にはなれそうもないものは、ま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
師の君の、その恩に預かれそうではなく、罰利生ある親分の、その罰の方が行われそうな
形勢は、言わずともの事であったから、電車でも片隅へ蹙んで、僥倖そこでも乗客が込ん....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
をもって迎えられた。そして諸大学におけるアリストテレスの哲学に取って代ろうとする
形勢を示した。この説はまたウプザラにおいても盛んな論争を惹起し、それが多分スウェ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
新しい世界の趨勢に即応したものに進展することを信ずるものであります。今日の世界的
形勢に於て、科学文明に立ち遅れた東亜の諸民族が西洋人と太刀打ちしようとするならば....
「古狢」より 著者:泉鏡花
のの――樹の下を通って見たかった。車麩の鼠に怯えた様子では、同行を否定されそうな
形勢だった処から、「お町さん、念仏を唱えるばかり吃驚した、厠の戸の白い手も、先へ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
せと、二ツ三ツ横面をくらわしてから、親どもを呼出して引渡した。ははは、元来東洋の
形勢日に非なるの時に当って、植込の下で密会するなんざ、不埒至極じゃからな。」 「....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
の顕官中にも竊に不平士族と気脈を通じて、蕭牆の辺に乱を企てたる者さえなきに非ず。
形勢の急なるは、幕末の時に比して更らに急なるその内乱危急の場合に際し、外国人の挙....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
に関係がなかったとはいえない、それまでの英、米哲学を本位にしておったのとは非常に
形勢が変ってきた、殊に大学およびその他講壇の側において然《しか》るのである。それ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
くにして動き、決して急速なるにあらず。この泰然として動かず悠然として流るる山河の
形勢は、すなわち米人今日の気風を養成し、その文明の進歩は徐々緩々として決して急速....
「西航日録」より 著者:井上円了
ナ国の一斑を知るに足る。かかる天然の地利と富源とを有するにもかかわらず、その国の
形勢累卵もただならざるは、その罪天にあらずして人にあり。しかして、シナ国民が泰西....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
って国運を発展するゆえんを示したまえるものなれば、これを奉戴服膺するにも、万国の
形勢を知るの必要あり。しかるにわが国において、北半球の国情、民俗は比較的熟知せら....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
つき思索を続けていた私には記念すべき思い出の作品である。 昭和十三年には東亜の
形勢が全く変化し、ソ連は厖大なその東亜兵備を以て北満を圧しており、米国は未だその....