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形影
「形影〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
形影の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
れなその老訓導にはなお八千円の金はあり、私には五千円もないのかと思えば、貧乏同志
形影相憐むとはいうものの、どちらが形か影かと苦笑された。そしてふと傍の新聞を見れ....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ける。そうして一種云うべからざる心持を繰り返している。 夢繞星※※露幽。 夜分
形影暗灯愁。 旗亭病近修禅寺。 一※疎鐘已九秋。 三十 山を分けて谷一面の百....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
です。 六十近い老人で、孫子はもとより、親類らしい者もない、全然やもめで、実際
形影相弔うというその影も、破蒲団の中へ消えて、骨と皮ばかりの、その皮も貴女、褥摺....
「やもり物語」より 著者:寺田寅彦
に、死んだ娘の名を呼んだとも云う。 養子に離れ、娘にも妻にも取り残されて、今は
形影|相弔するばかりの主人は、他所目には一向悲しそうにも見えず、相変らず店の塵を....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ると、放二の方にチラと目をやって、 「こちら、北川さん?」 「そうです。在京中は
形影相伴う血族ですから、お心置きなく」 青木が放二のことを説明しておいたのだろ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
におけるその初日なので。
どちらも日仏の混血児。そんなことから意気投合したが、
形影相伴って安南、貴州で暗い商売をつづけていた。ハッチソンの噂が出ると、時にバロ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
い出、このたびはそれが許容されたのであった。すぐ、女王と寵臣はこれまでと同様に、
形影伴う仲となった。――例によって例のごとく――まるで喧嘩などどこにもなかったか....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
を覗く。 走り童の幼時から、俊基に可愛がられて来て、このおあるじに仕えること、
形影もただならぬ侍童の菊王は、 「はいっ」 すぐ轅の横へ寄って。 「お眼ざめで....