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彼の世
「彼の世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
彼の世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
種々の栄誉ある賞や称号を授けられた。 溶液の研究は言わば彼の本筋の研究であって
彼の世界的の地位を確保したのもまたこの研究であったことは疑いもないことであるが、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ぬいだ人たちだ。南信東濃地方から勤王のため入洛を思い立って来る平田の門人仲間で、
彼の世話にならないものはないくらいだ。 「この正月になりましてから、伊那からもだ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
を願うべきである。宗教はその願いの成就すべしとの約束(心証)である(私の考えでは
彼の世において)。それは夢であろうか? 親鸞はその夢を追うて九十歳まで遑々として....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
持っている風変りな学者探偵であって、これまでに風間三千子は、事件のことで、いくど
彼の世話になったかしれなかった。殊に、仕事中、彼女が危く生命を落しそうなことが二....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
るともなく往来を眺めたり、ちょっと古新聞へ役者の似顔を描いてみたりして、この世と
彼の世帯の辛さから、暫時休憩しているのでありました。私はこの好人物を一生涯休憩さ....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
つけました。彼は日頃から公言していたように、牢にはいれば、同志はどんなにしてでも
彼の世話をしてもいいはずだという考えしか持っていなかったのです。彼は未決監にいる....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
であろう。だがこれはただ推量である。というのは、後にわかるように、私たちは永くは
彼の世話にならなかったのだから。 私たちが皆一所懸命に働いて、火薬と棚寝床とを....
「続堕落論」より 著者:坂口安吾
て国際人となることが必要で、非国民とは大いに名誉な言葉であると称している。これが
彼の世界聯邦論の根柢で、日本人だの米国人だの中国人だのと区別するのは尚原始的思想....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
、いよ/\今日という今日は死なねばならぬ事に成り果てました、今までの恩誼はたとえ
彼の世へ往こうとも決して/\忘れはせぬ、此の上は其方も山奥へ帰り、くれ/″\も用....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
背中をみつめられているような気がして、窮屈だった。しかし、春子が何かと気を配って
彼の世話を焼いてくれるのが、たまらなく嬉しかった。彼は、正木の家でのように、自由....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
チアベと向い合った。 「わしの子鳥達がこういうんです――」 ドュフランはいつも
彼の世話子達をこういう言葉で呼んだ。 「あなたの子供達にこれだけの規則違犯がある....
「人生における離合について」より 著者:倉田百三
の十六夜清心には「蓮の浮き葉の一寸いと恍れ、浮いた心ぢやござんせぬ。弥陀を契ひに
彼の世まで……結びし縁の数珠の緒を」という一ふしがある。 しかしすべての結合が....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
に学んでいた支那の学問を投げ捨てて当時流行の蘭学を取ったがこれが開運の基となって
彼の世界は展開された。彼はこんな順に立身した。 蛮書翻訳係。軍艦練習所教授方頭....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
からだと存じます。私は宗教は汎神論でなくて、一神論、世界は現象即実在でなくて、「
彼の世」こそわれらの誠のふる郷とする世界観がたしかであると思われます。私は二元論....
「城」より 著者:カフカフランツ
にもかかわらず、Kは一日じゅう、また一晩じゅう、ベッドに入っていた。ちょっとした
彼の世話はフリーダがした。つぎの朝、きわめて元気になってついに起き上がったが、す....