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「往復〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

往復の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
たものだった。これも木村大尉その人とは毎日同じ避暑地からこの学校の所在地へ汽車の往復を共にしていたため、素直に哀悼《あいとう》の情を表することが出来た。が、今度....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
やノオト・ブックを小脇《こわき》にしたまま、大橋図書館へ通う為に何度もこの通りを往復した。道のりは往復一里半だった。大橋図書館から帝国図書館へ。彼は帝国図書館の....
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
《やすきち》はこのタウンゼンド氏と同じ避暑地《ひしょち》に住んでいたから、学校の往復にも同じ汽車に乗った。汽車はかれこれ三十分ばかりかかる。二人はその汽車の中に....
或る女」より 著者:有島武郎
はもうだいぶ高くなったらしい秋の日の光が障子《しょうじ》越しにさしていた。葉子は往復一か月の余を船に乗り続けていたので、船脚《ふなあし》の揺《ゆ》らめきのなごり....
外科室」より 著者:泉鏡花
ならず気高きが、あなたに行き違い、こなたに落ち合い、あるいは歩し、あるいは停し、往復あたかも織るがごとし。予は今門前において見たる数台《すだい》の馬車に思い合わ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
としても、それらの破片は再び重心に向かって落ちかかってくる、しかして重心の前後の往復振動をするが、たびたび衝突した後に結局は再び平衡状態に復するだろうと言ってい....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
金子無心の使に、芝の巴町附近|辺まで遣られましてね。出来ッこはありません。勿論、往復とも徒歩なんですから、帰途によろよろ目が眩んで、ちょうど、一つ橋を出ようとし....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
、板橋を越しまして、赤羽へ参ります、赤羽の停車場から四人|詰ばかりの小さい馬車が往復しまする。岩淵の渡場手前に、姉の忰が、女房持で水呑百姓をいたしておりまして、....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
始めたもので、雷門に千里軒というのがあって此処がいわば車庫で、雷門と芝口との間を往復していたのです。この車台は英国の物を輸入してそのまま使用したので即ち舶来品で....
歯車」より 著者:芥川竜之介
もきょうだけはなぜか僕にはわからなかった。僕は電車の線路に沿い、何度もタクシイを往復させた後、とうとうあきらめておりることにした。 僕はやっとその横町を見つけ....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
卒然飯田蛇笏と、――いや、もう昔の蛇笏ではない。今は飯田蛇笏君である。――手紙の往復をするようになった。蛇笏君の書は予想したように如何にも俊爽の風を帯びている。....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
信者で、商店の番頭をしておった人もある。後までも心易く交際しておった。アボットと往復した手紙をして困るというような事も述べてある。ファラデーは随分と物忘れをして....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
との考にて、早速これを許し宗伯を熱海に遣わすこととなり、爾来浅田はしばしば熱海に往復して公使を診察せり。浅田が大医の名を博して大に流行したるはこの評判高かりしが....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
存生の時に工賃の貸がある骨董屋へ、勘定を取りに行ったのであった。 七十の老が、往復六里。……骨董屋は疾に夜遁げをしたとやらで、何の効もなく、日暮方に帰ったが、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
を上げて、や、どんなもんだい。 人形町|居廻から築地辺、居酒屋、煮染屋の出入、往復、風を払って伸しましたわ、すると大変。 暗がりを啣え楊枝、月夜には懐手で、....