往来止[語句情報] » 往来止

「往来止〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

往来止の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
軒の人家が流失するという騒ぎだ。日に日に木曾川の水は増し、橋の通行もない。街道は往来止めだ。 ようやく五月の十七日ごろになって、上り下りの旅人が動き出した。尾....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
がいずれもお召に応じ、陣装束で参内した混雑は筆紙に尽くしがたい。九門の前通りは皆往来止めになったくらいだ。 ――京都の町々は今、会津薩州二藩の兵によってほとん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
わめ》き出したのも聞捨てに―― なお一目散《いちもくさん》に濠端を急いで行くと往来止め。 「ちぇッ」 行き詰って、むしろ、この往来止めの制札を打砕いて、掘り....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のことですからたまりません。 殺気がみるみるその街道に充溢して、忽《たちま》ち往来止めの有様でした。 主膳は眼を吊《つる》し上げて、脇差の抜身を持っている。....
星女郎」より 著者:泉鏡花
様子があるのかも知れぬ。……土地の神が立たせておく、門番かとも疑われる。 が、往来止だで済ましてはいられぬ。もしその意味に従えば、……一寸先へも出られぬのであ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
道路工夫は言った、「道普請中なのを知りなさらねえんだな。これから十五分ほど行くと往来止めになっている。それから先は行けませんぜ。」 「なるほど。」 「まあ、カラ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
引くも意に任せず、ここに全く進退|谷《きわ》まった様子。商会の後ろにはこのために往来止めを喰った数十台の高級自動車が、口頭と警笛をもって、「退《ど》け、退け」と....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。道を塞いで四、五十名の侍が、昼食をしている様子なのである。 「ア。通れないや」往来止めではないが、通るには鞍から下りて、駒を曳かなければならないのである。伊織....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
き、助太刀の輩共一切、渡海の事かたく禁制。 遊観の舟、便船、漁舟等も同様。海門|往来止たるべし。 ただし辰下刻までの事。以上 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、深草を過ぎたころからやたらに兵馬の駐屯や行軍にあい、避ければよけて行くさきが、往来止め の制札だった。 やっと、時親と大蔵が、京の大和大路の口、極楽寺へん....
私本太平記」より 著者:吉川英治
今暁らい、六波羅には武士の参集が続々のぞまれ、五条大橋は、朝の巳ノ刻以降、一般に往来止メの札立てとなっている事実。 また。東山は黒谷附近から先、これも同様、木....
旗岡巡査」より 著者:吉川英治
河が吼えるように河の底から、船頭の大きな声が、 「――船止めだとようっ」 「六刻かぎりで、川筋も陸も往来止めだぞうっ」 船から船へ、呶鳴り交わしてから触れ合っていた。 下総の松....