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待合せ
「待合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
待合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あいびき」より 著者:ツルゲーネフイワン
黄ばみた髭を引張てみたりして――ヤどうも見ていられぬほどに様子を売る男であッた。
待合せていた例の少女の姿を見た時から、モウ様子を売りだして、ノソリノソリと大股に....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
る子安に逢った。毎時《いつも》言い合せたように皆なの落合うところだ。高瀬は子安を
待合せて、一諸に塾の方へ歩いた。 線路|側《わき》の柵について先へ歩いて行く広....
「新生」より 著者:島崎藤村
《かなしみ》の持って行きどころのないようなこの画家は、あいびきする男女の客や人を
待合せる客のためにある奥の一室を旅の隠れ家《が》ともして、別れた意中の人の面影を....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
は、どうしても見当がつかなかった。それだけ三人はなお心配した。 三人はどこかで
待合せて、びくびくしながら、地蔵堂町の先生の下宿へ一緒に行った。 先生はにこに....
「家」より 著者:島崎藤村
ウいわせるような馬が、客を乗せた車を引いて、坂道を上って来た。三吉はある町の角で
待合せて乗った。 雪はまだ深く地にあった。馬車が浅間の麓を廻るにつれて、乗客は....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
。逗子から毎日東京へ通った経験のある人の咄に、汽車の時間は往復四時間だが、汽車の
待合せやらステーションから目的地までの時間を合して少くも五時間若くは其以上を要す....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
きらめたらしく、黙りこくって剃刀を動かしていた。 客が帰って往った後で、そこに
待合せていた男の一人が、今までそこで顔を剃らせていた客は、議院きっての雄弁家だと....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
の家を出たが、とかく、足は前へ進まなかった。 小間物屋のある町角で、熊吉は姉を
待合せていた。そこには腰の低い小間物屋のおかみさんも店の外まで出て、おげんの近づ....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
さえすれば安心なんだ―― そして、寐返りをうつともう眠っていた。 八
待合せの時間よりも二十分も前に、南原杉子はカレワラにあらわれていた。蓬莱建介を待....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
姿でもたしかに判った。 虫を捕りに来たなどというのは嘘の皮で、市野はここで女を
待合せていたのかと、僕はひとりでほほえんだ。それと同時に、このあいだ乗合馬車から....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
前に近所の湯屋へ出て行ったから、やがて帰って来るだろうと言いますので、暫くそこに
待合せていましたが、なかなか帰って参りません。なんだか又不安になって来ましたので....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
あるから、ここからも遠くはない。そこで文次郎は迷惑な忘れ物をかかえて、暫くここに
待合せていることにして、お峰親子の駕籠はまっすぐに江戸へ帰った。 自分の店へ帰....
「停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
ました。それは母から頼まれていたのでございました。 十二時何分かの東京行列車を
待合せるために、わたくしは狭い二等待合室にはいって、テーブルの上に置いてある地方....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
いる余裕もなかったのだ。で結局、今朝の九時に上野を発ってくる奥羽線廻りの青森行を
待合せて、退屈なばかな時間を過さねばならぬことになったのだ。 が、「もとより心....
「世間師」より 著者:小栗風葉
るのだ。そよそよと西風の吹く日で、ここからは海は見えぬが、外は少しは浪があろうと
待合せの乗客が話していた。空はところどころ曇って、日がバッと照るかと思うときゅう....