待遇[語句情報] » 待遇

「待遇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

待遇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
しら、何だか去年や其前年来た時のようではない。どうしたって来たから仕方なしという待遇としか思われない。来ねばよかったな、こりゃ飛《とん》だ目に遭ったもんだ。予は....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
掛物も何も見えぬ。が、唯その桔梗の一輪が紫の星の照らすように据ったのである。この待遇のために、私は、縁を座敷へ進まなければならなかった。 「麁茶を一つ献じましょ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
だわ。貴下がはじめて、静岡へ来て、私と知己になったというのを聞いて、（精一杯｜御待遇をなさい。）ッて東京から母さんが手紙でそう云って寄越したのも、酒井さんとの縁....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
しながら、褄の媚めく白い素足で、畳触りを、ちと荒く、ふいと座を起ったものである。待遇に二つ三つ、続けて話掛けていたお才が、唐突に腰を折られて、 「あいよ。」 ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
りの、長年の狂女であった。――で、赤鼻は、章魚とも河童ともつかぬ御難なのだから、待遇も態度も、河原の砂から拾って来たような体であったが、実は前妻のその狂女がもう....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
黒く、流れている。 勿論、ここへお誓が、天女の装で、雲に白足袋で出て来るような待遇では決してない。 その愚劣さを憐んで、この分野の客星たちは、他より早く、輝....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
寒い、めっきり寒い。…… 氷月と云う汁粉屋の裏垣根に近づいた時、……秋は七草で待遇したろう、枯尾花に白い風が立って、雪が一捲き頭巾を吹きなぐると、紋の名入の緋....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
算盤を押遣って 「これ、お洗足を。それ御案内を。」 とちやほや、貴公子に対する待遇。服装もお聞きの通り、それさえ、汗に染み、埃に塗れた、草鞋穿の旅人には、過ぎ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
、女はわれを導きぬ。 「坊ちゃん、じゃあね、ここで御覧なさいまし。」 意外なる待遇かな、かかりし事われは有らず。平時はただ人の前、背後、傍などにて、妨とならざ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
してそれは例外なしに、永遠不動の法則によりて支配せられる。何人も寵児として特別の待遇に浴することなく、又何人も不可抗力の誤謬の為めに、無慈悲な刑罰に服することは....
「風波」より 著者:井上紅梅
ないのだろう」 今の七斤は早くもまた、七斤ねえさんと村人から相当の尊敬と相当の待遇を払われるようになった。夏になると彼等は以前のように自分の門口の空地の上で飯....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
っかりとあんじょうに……） ――細い指であやつッて、あ、着換を畳もう、という、待遇振。ですが、何にもない。着のみ、着のままで、しゃんと結ばると袋はぺしゃんこ。....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
そよと右左。 勿体ない、この風にさえ腰も据らないほど場打のしている者の、かかる待遇に会して何と処すべき。 青年はそわそわしたが、いつの間にか胸紐を外して、そ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
時も離さないとこういう言種でね。……父も祖母も、あれに中られると思うから、相当に待遇するでしょう。いい事にして、同勢がのめずり込む、臭いの汚いの、煩いのって――....
「欧米各国　政教日記」より 著者:井上円了
最もはなはだし。ただし僧侶は、男女の交際、外人の応接に注意し、言語、談話、訪問、待遇の極めて懇切丁寧なるを要す。すなわち、懇切丁寧をもって人の愛を買うものにして....