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「律動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

律動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
達はパンツ一枚なのですから、太股《ふともも》の紅潮した筋肉が張りきって、プリプリ律動するのがみえ、ぼくはすっかり駄目《だめ》になり、ほうほうの態《てい》で、退却....
世相」より 著者:織田作之助
ような触感、しびれるような体温、身もだえて転々する奔放な肢体、気の遠くなるような律動。――女というものはいやいや男のされるがままになっているものだと思い込んでい....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
集合すると運動の方は離散してしまう。運動が吸収され集積すると物質が飛散する。』『律動はあらゆる運動の特徴である。』スペンサーは明らかに、物質が集中する際はその相....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
に聴き出され、その急造の小|渓流の響きは、眼前に展開している自然を、動的なものに律動化し、聴き澄している復一を大地ごと無限の空間に移して、悠久に白雲上へ旅させる....
食魔」より 著者:岡本かの子
た乾酪の屍体であるのか、永くいのちの息吹きを絶った一つの物質である。しかも何やら律動しているところは、現代に判らない巧妙繊細な機械仕掛けが仕込まれた古代人形のよ....
恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
したような肉体を持つ魔性の生物は、渚に泳ぎ寄る水母のように、収縮と拡張の二運動を律動的に繰返すのだ。又、じっとその運動を眺めて居ると、心臓は恰も自分の自由意志を....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
門前で、彼の落ちついた足どりがふと止まった。かつて物に動じたことのない哲人の足の律動を止めたものは何であったか? それは門の表札であった。 「水鳥亭山月。水鳥亭....
狂女」より 著者:秋田滋
身動きが出来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に凭りかかっていた。折しも僕は重々しい律動的な跫音をきいた。普魯西の軍隊が来たのだ。そして僕は窓から彼等の歩いてゆく姿....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
感覚に悩まされることが多くなった。 ちょうどそれは、私の心臓のなかで、脈打ちの律動が絶えず変化していくように、波打つ暑気の峰と谷とだ。はっきりと、しかも不気味....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
その間を逢って、雨の滴が思い出したように落ちてくるのだ。 それには心動のような律動があって、四人の胸近くにいる思いがした。 誰しも今夜は、見知らぬ父母に憧れ....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
法が、技工の障壁を突破させるであろう。古代詩に著しく現れた情熱である。その激しい律動が、表現の段階を一挙に飛躍せしめたのである。ところで、澆季芸術の上に、情熱の....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
うことの思われない啓蒙期であった。詩は発想であり、思想をまず生活化してその生活の律動によって、新しい詩型は生れる筈だったが、それを考える事すらしなかった初めの詩....
宇都野さんの歌」より 著者:寺田寅彦
特徴がある。それは如何なる点に存するか明白に自覚し得ないが、やはり子音母音の反復律動に一種の独自の方式があるためと思われる。ともかくもその効果はこの作者の歌に特....
チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
高く美しい人には歌謡の舞蹈、色斑らなる仮面には炬火の光、臥し眠る心にはさゆらぎの律動を鳴らす音楽、わかき女には鏡、花には明るい温い太陽の光、即ち一つの眼――美が....
人工心臓」より 著者:小酒井不木
るのです。 次に、人工心臓です。心臓は申すまでもなく、収縮と拡張との二運動を、律動的に交互に繰返して居ります。心臓のこの律動的に動く有様を、やはり水銀をもって....