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律義
「律義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
律義の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
く、人も見えぬ。村々では、朝から蔀を下ろして、羽目を塞いだのさえ少くない。田舎は
律義で、日蝕は日の煩いとて、その影には毒あり、光には魔あり、熱には病ありと言伝え....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
迎えうつ体制とはなっている。しかしまだ現地の姿は静かに見える。 ◯武井さんという
律義で正直な大工さんを中川君の妻君が紹介してくれ、前から鶏舎や炬燵など作ってもら....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
景によって、ピサロは主義遂行に満足しているのか。かの女は、それから、あのピサロの
律義で詩的な、それでいてどこか偏屈な画を見ることが嫌いになり出した。そしてピサロ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
はこういう悩みを持つものもあるものだと、了解して頂き度い……と男の口調や態度には
律義ななかに頼母しい才気が閃くのだった。 陽は殆ど椰子林に没して、酔い痴れた昼....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
どこへ行くという目的もないので、こうして路頭に迷っているのでございます」 陳は
律義一方の人物であるので、初対面の女の訴えることをすべて信用してしまった。なにし....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
武家奉公を望んで二、三年前から庄兵衛の屋敷に勤めているのである。年は若いが正直|
律義の者で、実家には母も兄もある。庄兵衛はかの少女をひとまず与市の実家へあずけて....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
一種の蛮族が棲んでいるが、老女もその一人で、老年でありながら能く働き、且は正直|
律義の人間であるので、李公が都へ帰るときに家族と共に伴い来たったものである。それ....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
た。独立した広い墓地だけに遠慮が無く這入れた。或る墓標の傍には、大株の木蓮が白い
律義な花を盛り上げていた。青苔が、青粉を敷いたように広い墓地内の地面を落ち付かせ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
児帯して、少し皺になった紬の黒の紋着を着て、紺足袋を穿いた、鉄色の目立たぬ胸紐を
律義に結んで、懐中物を入れているが、夕涼から出懸けたのであろう、帽は被らず、髪の....
「茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
で、性格も世離れしているところから互いは親友でありました。 法眼は学問があって
律義の方、しかし其の
律義さは余程、異っています。或る時、僧を伴れて劇場の前を通り....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
を追って日本へ来た。日本へ来てからは母国で矯激な振舞いなぞあったとも見えぬような
律義な青年だった。千代田のお城の松をしきりに褒めていた。そうかといって丸の内に建....
「明暗」より 著者:岡本かの子
いるのではなかろうか。三木雄は真直ぐに首は立てているが丘の斜面にめんまっている。
律義に組み合せた手の片一方に細く光る結婚指輪も、智子自身が新婚旅行のホテルの一室....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
や娘達であることを先刻の肥った老女中の取次ぎが丁寧に伝えて行った。景子達の日本的
律義にいくらか窮屈だったらしいガルスワーシー夫妻は急にくつろぎを見付けたように立....
「黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
理の悪い借金は大抵片附いた。白子屋の店も蘇生えったように景気を盛返した。又四郎は
律義一方の男で商売にも精を出した。 併しお常の華美や贅沢は矢はり止まなかった。....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
逐出を懸けたまえば、図々しいような、世馴れないような、世事に疎いような、また馬鹿
律義でもあるような、腰を据えた青年もさすがにそれと推した様子で、 「これはどうも....